オンライン時代の伝える力・聞く力
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1伝わらない、悩みが見えない「リモートワークもやもや」←今回はココ
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2自称「リモートでもうまくいっている」チームの落とし穴
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3「褒める・感謝する・○○る」ことで人もチームも変わる
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4嫌がられる1on1 不慣れな上司がやりがちな失敗は?
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5気遣いのつもりが…「おばさん構文」は部下を困惑させる
「効率はいいけど、濃密さがない」「丁寧なテキストほどきつい印象」「調子が落ちていても気付かれにくい」。リモートワークが広がる一方で、コミュニケーションやチームづくりの課題も見えてきました。オンラインで仕事をしているとどんな悩みや壁があり、どんな工夫をしているのか。リモート多めに働くARIA読者にオンライン座談会でリアルな悩みや対策を語ってもらいました。
2022年4月、マーケティングマネージャーとして現在のベンチャー企業に転職したばかり
河野裕子さん (仮名、50歳)外資系IT企業に勤務
カスタマーサクセス担当リーダー。出版社から2年前に転職。企業カルチャーの違いにも慣れてきた
太田佳子さん (仮名、48歳)大手流通に勤務
1年前にEC事業部に異動。部内の総務・人事などを担当。社内では率先してリモートワークを取り入れてきた
久々にリアルで会うと印象が違う
編集部(以下、略) 皆さんは現在、出社と在宅勤務の割合はどの程度ですか?
大木恵さん(以下、大木) コロナ禍以降、会社全体がフリーアドレス化し、ほぼフルリモートです。今年4月に転職したばかりなので、同じチームの人は顔が分かりますが、他部署とはテキストのやりとりが多く、オフィスで会っても顔が分からず挨拶ができません。それに画面越しだと人柄をつかむのに時間がかかり、苦戦しています。
河野裕子さん(以下、河野) うちも出社は自由なので、今はリモート8割です。自分のチームのメンバーはリアルでも会いますが、他部署とは打ち合わせもオンラインです。画面で顔を知っていても実際に会うと印象が違うことはありますよね。
太田佳子さん(以下、太田) うちは流通なので出社がメインでリモートワークを導入したのも遅いですね。コロナウイルスの感染が拡大して急にリモートが定着した感じです。今は最大週2日まで、それぞれが曜日を決めてリモートしています。
―― リモートワークの場合、日常のコミュニケーションはどうしていますか。
河野 社内のコミュニケーションはほぼSlackです。あとGoogle カレンダーでスケジュールを共有して打ち合わせを設定します。質問もチャットに投げ込むと誰かが拾って答えてくれる。ある意味、チャットのほうがリアルよりオープンですよね。
大木 うちはTeamsのチャットが中心で、メールと併用です。チームの中に60代の方がいて、チャットが長文になりがちなんですよ(笑)。メールで連絡が来ることも多くて、後から見るとメールとチャットとどちらで話したか分からなくなって大変です。全部チャットで済ます人もいるし、メールが多い人もいる。いろいろなツールが混在していて困ることがありますね。
太田 コロナ以降、Teamsのチャットが定着しました。でも、EC事業部に異動したばかりのときは、コロナで急に忙しくなったこともあって、コミュニケーション不足で殺伐とした感じでした。既存メンバーは「この人に聞けばいい」って分かるんですけど、新参者は誰に聞けばいいか分からないし、これまで接点がなかった人には聞きにくい。会食が禁止になったことで、わずらわしさはなくなったけど、”人となり”を知る機会がほとんどない。
―― コミュニケーションではどんなことに気をつけていますか?