オンライン時代の伝える力・聞く力
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1伝わらない、悩みが見えない「リモートワークもやもや」
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2自称「リモートでもうまくいっている」チームの落とし穴
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3「褒める・感謝する・○○る」ことで人もチームも変わる←今回はココ
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4嫌がられる1on1 不慣れな上司がやりがちな失敗は?
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5気遣いのつもりが…「おばさん構文」は部下を困惑させる
「ポジティブフィードバック」という言葉を聞いたことがありますか? その名の通り、部下や同僚がポジティブになるフィードバックをすることを指します。「なんだ、そんなこと」と思われるかもしれません。でも、「きちんと取り組めば、人、組織は必ず変わる」と、国際エグゼクティブコーチのヴィランティ牧野祝子さんは太鼓判を押します。今すぐ始められて、必ず効果を実感できるというポジティブフィードバック。そのテクニックを教えてもらいました。
心理的安全性を高めるためには わざわざ○○する
編集部(以下、略) リモートワークが増え、同僚や部下とのコミュニケーションに悩みを抱える人が増えています。この混迷期に「ポジティブフィードバック」が有効だと聞きました。
ヴィランティ牧野祝子さん(以下、牧野) はい、とても有効です。日本のビジネスパーソンは、基本的にネガティブな思考を持つ傾向があるように思います。上司のフィードバックにいちいち傷ついたり心配になったり、放っておくと悪いほうへ悪いほうへと考えが及んでしまう。
例えば上司に出した資料や提案に対して、何のフィードバックもなかった。そうすると「だめだったんだ」「失敗しちゃったんだ」と思ってしまいます。でも実は、好感触だったということもありますよね。上司は、まったく悪気なく、ただ忙しくて何の返事もしなかったというだけで。
コミュニケーションって身ぶり手ぶり、表情などの非言語が占める割合も多いですよね。でもパソコンを介して仕事をしているとどうしても機械的になってしまいます。だから、こんな時代には、わざわざ努力してコミュニケーションを取っていかないと、部下は安心して仕事を進めていけないのです。
―― でも「ポジティブなフィードバック」って、どうすればいいのですか? 上司側からすると褒められる資料や提案ばかりではないと思うのですが……。
牧野 「ポジティブフィードバック=褒める」ということではないんです。もちろん「褒める」ことも大事ですが、ポジティブフィードバックの土台となるのは、「承認」です。褒めるところがない場合、事実を述べるだけでもいいんですよ。