あの人が通ったワケ 社会人こそ大学院で学ぼう
-
1酒井美紀 社外取に就任 途上国での葛藤が学びの原動力
-
2ハーバード最新授業 始業前に朝5時からリモートで受講
-
3女子校の経営危機を救った校長 57歳で再び早稲田へ
-
4元NHKアナ 有名アナではない私に武器をくれた大学院←今回はココ
-
573歳で大学院修了 夫の介護と死の悲しみを乗り越えて
-
6二所ノ関親方 元横綱が「脳に汗をかいた」大学院生活
フリーアナウンサーとしてスポーツ中継のリポーターなどを務める三須亜希子さんは、2021年3月に筑波大学大学院を卒業したばかり。大学院で研究したアスリートに特化したコミュニケーションスキルを、アナウンス業ではない新たな業務に生かしていると言います。
名前にもキャリアにも自信が持てなかった
編集部(以下、略) アナウンサーとしてのキャリアを順調に積み、その上でスピーチトレーナーやコンサル、採用人事の仕事をしているのは、どういった経緯があったのですか。
三須亜希子さん(以下、三須) 今までは前面に出る仕事ばかりしていましたが、2015年に出産し、子育ての経験を通して誰かの役に立つことやサポートするということに魅力を感じ始めたんです。そこでまず、人材派遣会社時代の人脈で採用人事の業務委託を始めました。さらに、アナウンサーのキャリアで一番強みにしていたのがスポーツ領域だったので、そこに特化したトレーナーやアスリート向けのメディア対応コンサルティングの仕事も始めました。
―― 「スピーチトレーナー」や「アスリート向けのメディア対応コンサルティング」とは、具体的にはどのような内容なのですか。
三須 スピーチトレーナーのクライアントには、「プレゼン時にうまく話せるようになりたい」といった会社員の方もいますが、主にはスポーツ選手から解説者を目指す人に話し方のトレーニングを行います。メディア対応コンサルティングでは、アスリートがメディアの取材に答えるときの対応の仕方や意識の持ち方などをお伝えしています。
―― 多くの仕事を抱えながらも、2019年春から大学院に通ったのはなぜですか。
三須 自信がなかったんです。アナウンサーとして有名ではないということは自分でもよく分かっていて、さらにキャリアにも自信がありませんでした。名前だけで勝負できるわけではないので、ずっと何か自分だけが持っているような武器を手に入れたいと思っていたんです。