トップランナーの仕事術 -5つのルールー
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1テレ東・大江麻理子「来た波には乗ってみる」が信条←今回はココ
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2キムタクのちょいマックを仕掛ける人 ズナイデン房子
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3建築家・吉田愛「ワークとライフは分けずに両方充実」
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4グランドフードホール岩城紀子「その仕事に愛はあるか」
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5ココナラ南章行「組織を引っ張るのは僕でなくビジョン」
『モヤモヤさまぁ~ず2』(以下、モヤさま)で、見事なアシスタントぶりを発揮したかと思えば、ニューヨーク支局への出向を挟んで就任した『WBS』6代目メインキャスターとして、冷静沈着に経済ニュースを届けているテレビ東京の大江麻理子さん。「夜11時からの顔」としての生活も6年目を迎え、2020年初めには異例ともいえる1カ月の長期休養も取得した。休養中に考えたことは? その後の働き方の変化は? 常にトップスピードで走り続ける大江さんに、「仕事のルール」を聞きました。
ノーはなし。無駄なことは一つもなかった
―― 情報、バラエティーと幅広くこなせるアナウンサーから、ニューヨーク支局での勤務、そして経済番組のメインキャスター就任と着実にキャリアを重ねていらっしゃいます。大きな環境の変化を伴うような異動の話は、いきなり自分に降ってきた、という感じだったのでしょうか?
大江麻理子さん(以下、敬称略) はい、確かに突然でしたね(笑)。ただ、報道番組に携わりたいという思いはずっと持ち続けていましたし、会社にも常に伝えていました。たまたまアナウンサーとして拾ってくれたのがテレビ東京だったわけですが、就職活動では、報道記者枠にも応募していました。
でも入社後、バラエティー番組を経験してみたら、自分で思ってもみなかった形で評価をいただき、番組が長寿番組になっていく、といった経験もできました。バラエティー番組と報道は一見、違うものに見えるのですが、『WBS』のキャスターとして番組を回していくのは、『出没!アド街ック天国』で、いろいろな人から話を聞き出したスキルが役立っていますし、取材現場での瞬発力みたいなものは『モヤさま』で培ったものだと思っています。
―― 大江さんは今まで、会社からの異動の話にノーと言ったことはないのでしょうか?
大江 ないですし、思ったこともないですね。……今、振り返ってみたら、無駄なことって本当に何もないんですよね。
例えば『モヤさま』は急きょできた番組でした。1月3日に放映される箱根駅伝の裏の枠が空いていたんです。箱根駅伝は視聴率が非常に高い「お化け番組」で、その裏番組は視聴率が厳しい「死に枠」と呼ばれています。だからこそ、「あえてマイナーな街を街歩きする」というアイデアで「死に枠」に挑戦してみたら、目標の3倍くらい視聴率を取れたんです。みんなで大喜びしました。そして、その春からレギュラー放送になり、後に人気番組に成長しました。
「どんなミッションを任されたとしても、どうにかしていく」というのが私の仕事だと思っています。やりたい、やりたくない、ではなくて来た波に乗る。乗りこなせていないものもたくさんあると思うのですが、なんとか乗ってきた結果、ここにたどり着いたのかなと思っています。
―― 来た波になんとかて乗っていれば、思わぬところに連れて行ってくれるかもしれない、ということでしょうか。
大江 そうなんですよ。漂流するかもしれませんけど、どこかにたどり着くことができる。
―― 漂流も含めて、波に乗ることを楽しむコツはあるのでしょうか?