今こそ大学へ!リカレント教育で学び直し
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国も力を入れつつあるリカレント教育。1回目では、なぜ今ARIA世代にリカレント教育が必要なのか。学ぶ先や講座にはどんな種類があるのか。費用のサポートはあるのか……などを、文部科学省 総合教育政策局 生涯学習推進課 課長補佐の濱部威一郎さんに聞いた。
100歳まで生きる時代、23歳までの教育では不十分
「人生100年時代を見据え、2017年に政府によって設置された『人生100年時代構想会議』では、社会人の学び直しを意味するリカレント教育がテーマの1つとなりました。そこで指摘されたのが、これまでの『教育を受けてから仕事をして引退する』という3ステージのモデルが変わりつつあるということです。今後は、就職してからもう一度教育を受ける。学び直して新たな場所で働く――など、マルチステージな生き方が提案されています」(濱部さん)
1つの会社で定年まで勤め上げる、という働き方が一般的だった時代は過ぎつつあり、働き方や仕事内容がライフステージに合わせて変化していくようになっている。100歳まで生きる時代に、23歳くらいまでに受けた教育で十分なのか? ということを考えなければならない。

「もう1つ、リカレント教育が必要となる背景としては『Society 5.0』の到来があります。狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続くSociety5.0は超スマート社会もいわれています。いわゆるIoTとかビッグデータ、人工知能(AI)のような技術革新が進んでいき、サイバー空間と現実の空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会を指します」(濱部さん)
Society 5.0ではこれまで解決が困難とされていた社会的課題も、新しい技術によって克服できるのではないかと考えられている。「例えば、少子高齢化、過疎化などで店舗が近くにない地域へドローンが物を運んだり、膨大な情報の中からAIが必要な情報を分析して探してくれたり、ロボットや自動運転車などの支援で人間の活動の幅が広がる……などです」
このようなSociety 5.0について理解し、AIやIoTなどを活用するためにも「学び」は大切になっていくという。「経済産業省の調査ではAI人材は今後さらに不足していくことが指摘されています」
このように、人生100年時代とSociety 5.0の大きな転換期の中で、個人がどうやって生きていくかということを考えたとき、新たに必要な能力やスキルを身に付け、継続的に能力を向上させることが求められているのではないか。それがリカレント教育の重要性につながっている。
