今こそ大学へ!リカレント教育で学び直し
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5高度専門人材を目指す「お墨付き」学び直しプログラム
「earth music&ecology」をはじめ、日本国内外で30以上のブランドを展開。ファッションのサブスクリプションサービス「メチャカリ」など、ITを駆使した新事業も展開するストライプインターナショナル。社長の石川康晴さんは、会社経営をしながら岡山大学経済学部を卒業、2018年には京都大学経営管理大学院でMBAを取得しました。大学での研究や自発的な学びが、ビジネス戦略や人脈づくりに大いに役立ったと言います。「経営者として『学び続ける姿勢』は必要」と語る石川さんに、「学び直しで獲得すべき力」について聞きました。

仕事の中で学び直しの必要性を痛感した
―― 経営者という非常に忙しい立場でありながら、大学と大学院に通って、学位を取得されています。大学での学び直しの必要性を感じたのはどんなことからですか。
石川康晴さん(以下、敬称略) 僕が大学での学び直しが必要だと痛感したのは、ストライプインターナショナルの前身である「クロスカンパニー」が創業10年目を迎えた頃です。会社の業績が伸びるにつれて、日本を代表する経営者の方々とお目にかかる機会が増えてきました。でも、当時の僕は「SWOT分析による強みは?」「ROE(自己資本利益率)はどのぐらい?」といった経営用語が飛び交う会話についていくのが難しかった。それまでは「業績が伸びているから大丈夫だ」という自負がありましたが、「経営理論を武器にしないと、正しい戦略も管理もできない」と危機感を抱いたのがきっかけです。
―― その後、岡山大学の経済学部で学び、京都大学経営管理大学院でMBAを取得されています。学び直しに「大学選び」は重要ですが、最初からこの2つの学校と決めていたのですか。
石川 社会人入試を経て岡山大学を選んだのは、「若い大学生たちと接することで、市場調査ができる」と思ったからです。大学院を選ぶときは早稲田、慶応、一橋、京大で迷いました。経営戦略なら一橋、マーケティングなら慶応、事業戦略なら早稲田、と各大学に強みがありましたが、最終的には京大の山内裕准教授の『「闘争」としてのサービス』、末松千尋教授の『京様式経営 モジュール化戦略―「ネットワーク外部性」活用の革新モデル』という著書を読んで感銘を受けていたため、京大に決めました。
僕は指導教授と学びたい内容で選びましたが、「その場でどんなコミュニティーが形成されるか」も選択理由の1つになると思います。例えば、ハーバード大学では半年間、1年間限定のMBA講座があり、世界のトップエグゼクティブしか参加できません。「在学中や卒業後にどんなコミュニティーが形成されるか」「ビジネスの人脈づくりに役立つか」を考えてみてもいいですね。