Withコロナ時代の 感情マネジメント
初エッセイ『わたしもかわいく生まれたかったな』(集英社刊)を出版したお笑いコンビ・たんぽぽの川村エミコさん。幼稚園の頃、父親から「えみちゃんはあまりきれいなほうじゃない」と衝撃の発言をされたり、担任の先生から「あの子、静かで嫌だわ」と言われたり……思い出すとチクチクと胸が痛むようなエピソードをユーモアのにじむ描写でつづっています。一方で、こけし収集やカメラなど多趣味で「一人上手」な面を持つ川村さんに、うまくいかないことやモヤモヤする感情への向き合い方を聞きました。
いつも自分を後ろから見ている「ヤミ蔵くん」がいた
―― 嫌なことを言われたり、理不尽なことをされたりしたエピソードを淡々と描かれていますが、そういうときは気持ちをどう整理されていたんでしょうか?
川村エミコさん(以下、敬称略) 悲しかったり、つらかったりしたとき、そこにグッと入り込まず、一歩引いて考えるクセは昔からありました。3歳のときに弟が生まれて、「えみちゃんは一人で何でもできるでしょ」と言われて、2階で寝ることになったとき、階段をえっちらおっちら上っているのを、誰かが後ろから見ている。自分の中では「ヤミ蔵くん」って名付けていますけど(笑)。それが一番古い記憶です。
―― 小学校の頃にいじめられた経験などもシーンが浮かぶように書かれていますね。つらい体験はどう乗り越えたのですか?
川村 気持ちのコントロールじゃないですけど、嫌だなと思っても「いったん忘れよう」と。思わなくていい気持ちは素通りもできるタイプなんです。