各企業の“女性活用”の中身をより詳しく分析するため、総合ランキングに加え、4つの「部門別ランキング」も作成した。それぞれの部門の評価ポイントおよび各部門1位~5位の企業は以下の通り。

【管理職登用度】部門~女性役員数、管理職に占める女性の割合を評価。子どもを持つ女性管理職の人数もチェック

 1位は総合ランキングでも1位に輝いた日本IBM。女性役員比率は18%(18年は16%)まで上昇し、人数も44人と過去最高に。19年12月時点で女性管理職比率は17%に。2位のファイザーは役員17人中、女性は7人と女性エグゼクティブが活躍。3位のアクセンチュアは、女性管理職比率は17%。20年末までに20%を目指す。女性役員比率は18%。管理職候補者の女性社員一人ひとりの人材開発プランを作成するなど、キャリアアップを全面的にサポートする。

【女性活躍推進度】部門~女性活躍の専任組織の有無や女性社員向けの研修制度などで評価

 1位にJTB、三井住友海上火災保険、日立製作所が並んだ。JTBは2006年から女性活躍推進に取り組み、女性管理職比率は38%に。専任の女性執行役を任命し、若手営業職や育児中の社員の悩み、管理職の働き方に関する問題など、課題解決に社を挙げて取り組む。

 三井住友海上火災保険は、19年から地域限定総合職でも転居を伴う異動が選択できるコースを新設し、活躍の場を拡大。グループ横断の「女性部長の会」で成長を支援する。日立製作所は2000年代から女性活躍推進に取り組む。海外も含むグループ全体で「女性管理職に関する数値目標」を共通指標として掲げ、取り組みを加速させる。

【ワークライフバランス度】部門~年間総労働時間や有給休暇取得率、男女社員の育休取得率などを評価

 1位の日本生命保険は2018年度に「働き方改革アクションプラン」を策定。19年3月時点で、月間平均の所定時間外労働時間を16年度比で16.2%削減した。男性の育休取得率も7年連続で100%を達成。

 2位の住友生命保険は17年から働き方改革に取り組み、IT環境などのインフラ整備、既存業務の見直しが進む。19年から人事考課を「成果と時間のバランス」を評価する方法に変更した。3位の千葉銀行は、13年9月から業務効率化や早帰りを推進。ボトムアップで職員から意見を集め、制度の創設や新たな取り組みに生かす。つわりや不妊治療のための休暇制度、育児休業からの復職に向けた慣らし勤務制度などはその一例。

 尚、今回の調査では全回答企業の1人あたりの年間総労働時間は平均1958.2時間(19年は1973.5時間)と、昨年と比べて15.3時間もの削減が見られた。本腰を入れて働き方改革に取り組む企業が増えている。

【ダイバーシティ推進度】部門~女性社員の比率や勤続年数など定着率を評価。障がい者雇用率やLGBT理解促進の施策もチェック

 性別や年齢、障がいの有無などに関わらず、誰もが長く活躍できるよう、ワークライフバランス施策や両立支援制度拡充などのサポート体制を充実させる企業が上位に。1位の花王グループは女性正社員の55%が既婚者で、子どものいる女性正社員比率は47%。結婚・出産後も多くの女性社員が活躍。

 2位のNECは正社員の平均年齢、平均勤続年数に男女差がほぼなく、新卒で入社した社員の入社3年後の在籍率も約91%と高い。3位の日本生命保険は子どもがいる女性正社員は約7割と、育児と仕事とを両立する女性が多数活躍する。

 女性活用度調査の詳細は、『日経WOMAN』2020年6月号(5月7日発売)で詳報しています。

※調査概要/2020年1月~2月中旬に上場企業など国内有力企業4449社を対象に日経BPコンサルティングが実施。542社から回答を得た。設問や採点基準は有識者(聖心女子大学教授・大槻奈巳氏、キャリアン代表取締役・河野真理子氏、法政大学教授・武石恵美子氏)と本誌編集部で定めた。