どんな食事が病気の予防になるの? また、どんな習慣がアンチエイジングにつながるの? 世界中で進む、“健康”にまつわる研究について、注目の最新結果をご紹介します。

 運動は「病気の予防薬」といえるかもしれないほど、さまざまな効果があるが、どんな運動がどんな病気にいいのか……その最終回答を得るために多くの研究が進んでいる。今回はその一端となる、脂肪肝や肺炎についての運動の最新エビデンスを紹介する。

 まずは、定期的に体を動かすことは、肺炎のリスクを下げる可能性があるという研究。

毎日のウオーキングは肺炎のリスクを下げる?

 毎日ウオーキングするなど、定期的に体を動かすことは、肺炎の発症や肺炎による死亡を減らすことが、100万人以上を対象にした観察研究の体系的分析で明らかになった。英国の研究者らが発表した。

定期的な身体活動が重要
定期的な身体活動が重要

 肺炎は細菌やウイルスなどが肺に入って炎症を起こす病気で、死亡の原因にもなる。喫煙やアルコール摂取、喘息などの呼吸器疾患、糖尿病などの慢性疾患も危険因子といわれる。

 2021年9月15日までに報告された研究のうち、1年間を超えて追跡した観察研究から10件の前向きコホート研究を抽出。うち6件は肺炎の発症、4件は肺炎に関連する死亡についての報告だった。分析対象は合計で104万4492人、それぞれの報告の平均年齢は36歳から69歳で、4件は欧州(フィンランド、ノルウェー、英国)、4件は北米(米国)、2件はアジア(日本)だった。身体活動量は自己申告の質問票によって評価され、2つ以上のグループに分けられていた。

 年齢や性別、BMI、社会経済的状態、飲酒、喫煙など、肺炎に影響を与える要因を考慮して分析した結果、身体活動が最も多いグループは、最も少ないグループに比べて、肺炎の発症・肺炎関連の死亡のリスクは31%低いことがわかった。地域(欧州、北米、アジア)や年齢(55歳以上、55歳未満)のサブグループに分けても同じ傾向が見られた。また肺炎の発症は身体活動が最も多いグループで18%低く、肺炎関連の死亡は36%低かった。

 このため、定期的な身体活動をしている人は、肺炎の発症と肺炎による死亡のリスクが低いとした。その理由として、身体活動は、体重や高血圧、脂質異常などの危険因子を改善し、全身の炎症を軽減させること、免疫機能を高めること、さらに肺機能を改善させることが考えられるという。

 また、この研究では日本の大規模なコホート研究(2007年に発表)も分析に用いられている。およそ11万人を対象とした研究で、ウオーキングを1日に0.5~1時間行うと、肺炎による死亡リスクが20%、1時間以上では30%減少させることが示されている。一方、喫煙は肺炎による死亡の危険因子だが、禁煙した人では非喫煙者と同じレベルまでリスクは低下した。日本の研究グループは、禁煙は肺炎の死亡を減らす可能性があると述べている。

(データ:GeroScience (2022) 44(1):519-532 )
※日本のデータ:J Epidemiol.(2007)17:194-202.