人間関係や社会生活で生きづらさを感じている人は少なくないでしょう。なぜか周囲とうまくいかないと思っている人も多いのでは。そこには、「パーソナリティ障害」という問題が潜んでいるかもしれません。今回は、精神科医でこの分野の第一人者である岡田クリニックの岡田尊司院長に2回にわたってパーソナリティ障害について解説していただきます。「大事な人とうまくいかない」「疑う心を抑えられない」…そんな人は必見です!

(イラスト:朝倉千夏)
(イラスト:朝倉千夏)

 「パーソナリティ障害」という言葉をご存じだろうか。偏った考え方や行動パターンのため、社会で困難を生じてしまう状態のことだ。

 人間関係がうまくいかない、怖くて新しいことに踏み出せない、つい感情を爆発させてしまう――。誰もが経験することではあるが、「こうしたことが日々の生活に支障をきたすのであれば、パーソナリティ障害の可能性がある」と、精神科医でこの分野の第一人者である岡田クリニックの岡田尊司院長は説明する。

パーソナリティ障害とは、
考えや行動に著しい偏りがある状態

ex. 感情の起伏が激しく抑えられない

ex. こだわりが強すぎて人とうまくコミュニケーションが取れない

ex. 自分に自信がなくて引きこもりがち

 パーソナリティー障害とは、生まれ持った脳機能の障害によって生活に支障を生じる「発達障害」とはまた異なり、成長過程で育まれた「人格」によってコミュニケーションなどに問題を抱えること。

 パーソナリティ障害には10の基本タイプがある(詳細は後編)。「一概に1人を1つのタイプに当てはめることはできないが、パーソナリティ障害を持つ人をよく見ると、大まかにどれかのタイプに分類することができる」(岡田院長)。

 なぜ自分はこうなのかと「生きづらさ」を感じている場合、パーソナリティ障害が原因かもしれない。なかには自分は困っておらず、周囲が困って診察やカウンセリングを受け、パーソナリティ障害と判明する例もある。