どんな食事が病気の予防になるの? また、どんな習慣がアンチエイジングにつながるの? 世界中で進む、“健康”にまつわる研究について、注目の最新結果をご紹介します。今回は、最新の食の研究について。高カロリーな食品のにおいに脳が反応する、どんな食事が脂肪肝に影響するか、という結果です。

 ダイエットが気になる時期。今回は食にまつわる研究を紹介しよう。

肥満者の脳はチョコレートの香りに強く反応

 食べ物のいい匂いは食欲をそそる。しかも高カロリーの食品のほうが脳への刺激は強いようだ。肥満の人は標準体形の人に比べて、嗅覚機能は低下しているが、チョコレートなどの高カロリー食品の匂いを嗅ぐと、脳の報酬系と呼ばれる部分が活性化することが、ドイツの研究でわかった。

チョコに脳が反応?
チョコに脳が反応?

 研究では、肥満症(体格指数BMIが30超)の男女17人、標準体形(BMIが25未満)の男女21人が参加。嗅覚機能の検査(Sniffin' Sticks)と味覚機能の検査(Taste Strips)を受けた。

 Sniffin' Sticks試験には、匂いを感知する閾値検査と、匂いを嗅ぎ分ける識別検査、匂いを同定する検査の3つがあり、それぞれ0点から16点で評価した。

 その結果、フェニルエチルアルコールを用いた閾値の検査で、標準体形の人は平均8.5点だったが、肥満症の人は6.8点と、統計学的に有意に点数が低く、匂いの感受性は低いことがわかった。識別検査でも肥満症の人のほうが点数は低い傾向があった。匂いの同定検査の点数は変わらなかったが、3つの試験の総合評価から、嗅覚機能は肥満症の人のほうが低いことが示された。しかし味覚機能には差がなかった。

 次に、単位量あたりのカロリーが高い食品(チョコレート)とカロリーが低い食品(キュウリ)の匂いを嗅いで、そのときの脳の活性化を核磁気共鳴画像法(MRI)で調べた。

 その結果、肥満症の人では、チョコレートの匂いを嗅いだ場合、標準体形の人に比べて、報酬に関わる脳の領域、匂いや風味(フレーバー)の処理に関係する領域の活性度が大きかった。たとえば、食品の風味を処理する前頭葉の一部や、摂食行動の制御、特に食欲をそそる食品への動機づけに関与している小脳の一部などが活性化していた。キュウリの匂いを嗅いだ場合はそれらの領域に大きな変化はなかった。

 研究者らによれば、私たちは匂いから食品に脂肪が含まれているかどうかがわかり、甘いか甘くないかといった味やエネルギー密度を区別することができるという。チョコレートはキュウリに比べてエネルギー密度が高く、脳の活性化はその刺激で得られる報酬への過剰な反応を示しているのだろうと説明している。

(データ:Obesity 電子版April 28)