どんな食事が病気の予防になるの? また、どんな習慣がアンチエイジングにつながるの? 世界中で進む、“健康”にまつわる研究について、注目の最新結果をご紹介します。

 今回紹介するテーマは、食事とメンタル、食事と仕事時間の関係について。「果物を食べる回数が多い人ほど、メンタルが良好」、そして「食の質に、通勤時間と労働時間が影響する」という2つの研究です。

仕事にまつわる時間が長いと、食事の質が下がる?

 労働時間や通勤にかかる時間が長いほど、外食や調理済みの食品の購入が増え、野菜や果物の摂取量が減少することが、オーストラリアの大規模なデータを用いた研究で明らかになった。

通勤時間も食事の質に影響?
通勤時間も食事の質に影響?

 全国的な世帯・所得・労働力調査(Household, Income and Labour Dynamics in Australia;HILDA)から、食生活に関する結果がある2007年と2009年、2013年、2017年のデータが解析に用いられた。解析対象は合計で男女14807人(女性が5割)。年齢の中央値はデータ収集時期によって異なり39~42歳、労働時間の中央値は1週間当たり37~38時間(週に38時間超の人は4割)、通勤時間は中央値で週に2時間だった。単身者は1割強、主要都市に住む人がおよそ7割だった。

 食生活について、朝食、昼食、夕食のそれぞれで外食あるいは家庭外の食品を購入する頻度を尋ねた。また果物や野菜の1日の平均摂取量についても調べた。

 解析の結果、労働時間や通勤時間が長いと、家庭外の食品を購入する頻度はやや高く、特に通勤時間が長いほど、朝食は家庭外で購入する頻度が高かった。また労働時間や通勤時間が長いほど、果物や野菜の摂取量も少ない傾向があった。

 働いていない場合と比較すると、労働時間が週1~38時間では家庭外の食品を購入する頻度は1.239倍、38時間以上では1.437倍になった。労働時間に基づく家庭外の食品を購入する頻度を予測した分析では、たとえば週15時間働く人は平均して週に約2回、週40時間働く人は週に3回以上外食していると予測された。

 さらに統計学的なモデル解析の結果、1週間当たりの労働時間が1時間増加するごとに、家庭外で食品を購入する頻度は1.006倍に、通勤時間が1時間増加するごとに1.014倍になった。

 研究者らは、一般的に家庭外の食品は家庭で調理された食品よりも健康によくない傾向があるため、長期的には健康に悪影響を与える可能性があるとし、仕事にかかる時間を減らすために、フレックスタイム制や在宅勤務などの勤務形態がその解決策になるかもしれないとしている。

(データ:BMJ Open 2022; 12:e056212.)