長く続くコロナ禍により、生活リズムが崩れ、運動量が減っている人も多いのではないだろうか? それは「体内時計」にとっては一大事!
 体内時計は、体温やホルモン分泌、自律神経の働きなどを調整する極めて重要な機能。近年の研究から、体内時計の乱れが、肥満や老化、睡眠障害など様々な不調の原因になることが分かってきた。ここでは、体内時計の最新研究と、その乱れを抑える生活習慣のポイントを一挙に紹介しよう。

写真はイメージ=123RF
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 生活リズムが乱れがちな今こそ、規則正しい生活を心がける必要がありそうだ。というのは、「体内時計の乱れが肥満、脳や免疫の老化、睡眠障害、メタボリックシンドロームなど、さまざまな不調の原因になることがわかってきたから」と早稲田大学の柴田重信教授。

 ヒトの体には、体温やホルモンの分泌、自律神経の働きを変動させ、スムーズに活動モードと休息モードのリズムをつくるシステムが備わっている。それを司るのが体内時計だ。しかし、不規則な生活がそれを乱す。

 体内時計には脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)にある「中枢時計」と、臓器や筋肉などが持つ「末梢時計」の2種類があり、それぞれ独自のリズムを刻んでいる。そのリズムが乱れても、中枢と末梢の時計にズレが生じても不調の原因となるという。

 「中枢時計は体全体のリズムのまとめ役で、いわばオーケストラの指揮者。独自に働く末梢時計が調和することで、健康な体が保てる」(柴田教授)

 体内時計にはそれぞれリズムを刻み始めるための合図がある。中枢時計の合図は光末梢時計の場合は、食事や運動などがそれにあたり、どのタイミングで合図が送られるかが重要だという。次のページから詳しくみていこう。

中枢と末梢の時計のズレが老化や不調の原因に!
中枢と末梢の時計のズレが老化や不調の原因に!
(イラスト:朝倉千夏)