歩くのが遅くなった気がする、ちょっと歩くと脚がだるい……。そんな実感はありませんか? 外出自粛やテレワークの影響で歩数が減り、「歩く力」の低下が危惧されています。新刊書籍『“歩く力"を落とさない! 新しい「足」のトリセツ』(日経BP)をまとめた、「足」の専門医らに、足のためにどんなことに気を付ければいいのか聞きました。

足の病気を診るのは、一般に、外反母趾(ぼし)は整形外科、水虫は皮膚科、下肢静脈瘤(りゅう)は血管外科、というように分かれています。しかし、「足」の総合病院である下北沢病院(東京・世田谷)では、「足」を総合的に診ています。
これは米国の足病医学(ポダイアトリー)流。米国では、足病医(ポダイアトリスト)という足を専門的に診る医師がいます。眼科医は目、歯科医は歯を専門的に診ますが、それと同様に、「足」を一つの部位ととらえて診るわけです。下北沢病院では、「足」を歩行の要としてとらえ、できるだけ長く快適に歩き続けられることをサポートしています。
歩く力を保つセルフケアを知ってほしい
新型コロナウイルス感染症が拡大した影響で、毎日の歩数が減っているという調査結果が複数でています。「歩数が減ると、歩く力が落ちてしまいます。高齢者の場合は、体力まで低下しかねません。そのため、歩く力を保つためのセルフケアをぜひ知ってほしいと思っています」と同院長の菊池守さん。
同院では、新型コロナ流行後、エクササイズやマッサージなどの動画を配信するなど、歩く力を保つための情報を発信してきました。書籍『新しい「足」のトリセツ』もその一環です。
同院理事長の久道勝也さんは、「長く歩き続けたいなら、本来はできるだけ毎日歩くことが大切」と話します。そのため、毎日一定時間、ウオーキングに費すのがベスト。「歩数などを気にせず、痛みなく快適に歩けるのならどんどん歩いてほしい」(久道さん)。しかし、コロナ禍でそれができない場合は、自宅でのセルフケアが重要となってきます。