足指もしっかり動かすのが大切
もう一つ、柔らかさが必要なのは「足指」です。「足指を動かす筋肉には、アーチを維持する役割を持った筋肉が多い。だから、しっかり足指を動かすことが大切です。また、歩行時に足指を柔らかく使い、足の親指でしっかり蹴り出していると、下肢静脈瘤や巻き爪の予防にもつながります」と菊池守さん。
たかが足指と思うなかれ、ヨガやフィットネスのクラスなどで行われるグーチョキパーの動きも、足の健康、歩く力の維持に、重要というわけです。

足のグーチョキパーは足の内在筋トレーニングの一つ。チョキは親指を下にする方法もできるといい。左右とも、グーチョキパーを10回ずつ繰り返す
「歩くことは、最高の健康法であり、〇〇に行きたいという気持ちをかなえる移動機能でもあります。私たちは歩く力を保つことは、健康寿命を延ばすことにつながると考えています」と久道さん。まずは、「アキレス腱伸ばし」から試してみませんか。
書籍では、歩く力を保つためのエクササイズやマッサージ、さらに足の病気や不調を防ぐ方法を、カラーイラストとともに紹介。女性に多い外反母趾や巻き爪、下肢静脈瘤、扁平(へんぺい)足から、足底腱膜炎、水虫、糖尿病や痛風による足のトラブルについて、そのメカニズムと簡単なセルフケアを網羅しています。
取材・文/白澤淳子(日経ヘルス編集長) イラスト/内山弘隆
“歩く力"を落とさない! 新しい「足」のトリセツ
下北沢病院は、日本で唯一の「足」の総合病院。米国の足病医学を参考にしているのが特徴です。そこで多くの人に勧めるのが「アキレス腱伸ばし」。これが、足の老化や病気を防ぐのです。本書は、下北沢病院の医師たちがまとめた長く歩き続けるために役立つ「足」のトリセツです。
[NIKKEI STYLE 2020年12月27日の記事を再構成]