どんな食事が病気の予防になるの? また、どんな習慣がアンチエイジングにつながるの? 世界中で進む、“健康”にまつわる研究について、注目の最新結果をご紹介します。

 今回紹介するテーマは、声と見た目の関連について。オーストリアの研究です。

声の高さは、見た目を若くする

 声が高いほうが見た目の年齢は若く判断されることがオーストリアの実験研究でわかった。しかし、声の高さと魅力との関連性は明らかでなかった。

 研究では、男性参加者104人(19~38歳、平均24.3歳)が、女性が話をする音声記録あるいはビデオを見て、「魅力」「女性らしさ」「年齢」「健康感」を7段階で評価した。

 ビデオは18~45歳の女性20人が、「朝は道が混雑している」「人々はドアの外に座っている」と話しているもの。オリジナルのビデオと少し高い声(約20ヘルツの増加)になるように音の高さを調整したビデオが用意された。

 実験は2回行われた。1回目は、オリジナルのビデオと高い声に調整したビデオのいずれかを用いて、まず音声を録音したものを聴いて声を評価する試行を20回行い、次に女性の顔と音声の入った映像(2.8~4.2秒)を見て顔を評価する試行を20回繰り返し行った。さらに7~11日後に1回目とは違うビデオを用いて2回目の実験を行った。

 声が高いほうがより魅力的で女性的、より若く健康的と評価されるだろうと研究者らは予想していたというが、結果は違った。音声のみの評価では、声の高さを上げた場合のほうが、「女性らしさ」の点数が平均5.00点から5.16点に増え、「年齢」は平均27.2歳から25.2歳と若く判断された。しかし「魅力」と「健康感」に有意な差はなかった。

 映像の評価でも、声の高さが高いほうが、「年齢」は平均27.2歳から26.7歳と若く判断されたが、「女性らしさ」は4.54点から4.58点、「魅力」は3.50点から3.47点、「健康感」は4.43点から4.41点であまり変わらなかった。

 男性に比べて女性のほうが声は高いことが知られており、今回の研究結果でも高い声はより女性的であると評価されたと研究者らは解釈している。なお年配の女性と若い女性では声の高さは15~25ヘルツの違いがあり、また女性の月経周期でも約5ヘルツの違いがあるという。

 これらの結果から、声の高さの調整は年齢と女性らしさの判断に影響を与えたが、魅力には影響しなかったとし、魅力の判断は顔や声以外にも、匂いや体形、視線や感情表現なども重要な役割を果たしていると研究者らは述べている。

(データ:Front Psychol. 2022;13:911854.)

文/八倉巻尚子 写真/PIXTA