「ダイエットの失敗は、その時々で正しい食事、正しい運動を選べなかったのが原因」──。フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんはそう断言します。では、「正しい選択」ができるようになるにはどうすればいいでしょうか?
 2回にわたって必ずやせられる食事と運動の「正解」を中野さんに教えていただきます。前回は「運動」の正しい選択でしたが、後編となる今回は「食事」の正しい選択を解説します。

 ダイエット・健康指導からトップアスリートまで幅広く指導するフィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんは、「正しい選択ができれば、この世にやせられない人はいない」と言い切ります。そんな中野さんに、 必ずやせられる食事と運動の「正解」を2回にわたって教えていただきます。後編となる今回は「食事」編。「運動するなら、食前と食後のどっち?」「炭水化物は抜く? 抜かない?」など、誰もが気になる疑問に答えていただきました。

Q. 運動するなら、食前と食後のどっち?

正解は… AB どちらもOK(ただしBはご利益が大きい)

続けられることが大事。食べすぎたら食後に動きましょう
脂肪を落とすなら空腹時、食べたものをすぐに消費したいならば食後と、両方にメリットがある。ただし、体脂肪は落ちにくいので、脂肪になる前に消費するほうが楽ちん。

食後の運動を続けると常に血糖値を抑えられるように

 食前・食後ともにメリットあり。「空腹時は血中に糖が少なく、脂肪を分解して運動のエネルギーを生みだす、と考えられている。一方、食後は血液中の糖が充実。体を動かすと血中の糖は優先的に筋肉に送られるため、バンバン使われて体脂肪がつきにくくなる」(中野さん)。

 あえて優劣をつけるならば、糖を消費するよりも体脂肪を落とすほうが難しいため、食後のほうが効率がよい。さらに継続すれば、常に血糖値を抑えられる体になるという。

 「とはいえ、食後に運動をすると気持ちが悪くなる人もいるし、空腹ではヤル気が出ない、長時間動けないなどの理由で運動時間が短くなり、効果が下がる場合もある。ダイエットは一朝一夕では完結しない。自分が継続できるタイミングで選ぼう」

続けると食後血糖値を抑えやすくなる
続けると食後血糖値を抑えやすくなる
食後20分間のウオーキングで、食後血糖値を抑えることができる(急性効果)。毎日継続すると、食後血糖値を抑える効果が高まるという(慢性効果)。 (出典:田畑クリニック院長 田畑尚吾氏の資料より作成。『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』より)