「漢方×栄養学×腸活」を軸に、体の不調を食べて治す“食薬習慣”を提案する薬剤師で漢方カウンセラーの大久保愛さん。薬膳よりも手軽で続けやすい“食薬”を提唱するようになったのは、東洋医学と西洋医学の両方を学んだ経験にありました。
「漢方×栄養学×腸活」の3つを軸にした“食薬”
大久保さんの提唱する“食薬”とは、「漢方」の考え方、西洋医学の「栄養学」、さらに腸内環境を整える「腸活」──の3つを組み合わせたものだ。
旬の食材を中心に、7大栄養素(糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトケミカル)をバランス良く摂取しながら、カラダの不調をケアしていく。その具体的な実践方法をまとめた著書、「食薬習慣」シリーズが人気を博し、すでに6冊出版されている。

薬剤師、国際中医師、漢方カウンセラー
アイカ製薬代表取締役。昭和大学薬学部卒業後、北京中医薬大学で漢方、薬膳、東洋の美容などを学ぶ。漢方カウンセラーとして年間2000人以上の悩みに応える実績を持つ。現在は予防医学のフィールドで幅広く活躍。高麗人参ブランド「DARUN」のプロデュースも。新著に『すっきりしない不調を改善 組み合わせ食薬』(WAVE出版)がある。
本では、「春は動物性たんぱく質を摂って『肝』をサポート」「五月病にはスパイスやハーブで胃腸の炎症をしずめる」など、気候の移り変わりによって起こるカラダや心の変化と、その対策となる食材とレシピの組み合わせが1週間単位で紹介されている。
レシピも、主にスーパーで手に入る身近な食材を使うため、これまでの薬膳よりも取り組むハードルが低くて続けやすい。
また、食材は水にさらさない、皮はむかずに皮に含まれる栄養素もとる、昆布などのダシをとった後も捨てずに丸ごと食べてしまうなど、あえて手間をかけない。
「一般的な調理法では、栄養素を捨ててしまっていることも多い。ズボラなくらいの調理法の方が、食材の栄養素を丸ごととれる」と大久保さんは話す。