今回(20年)と前回(16年)の大統領選を見る限り、同じ女性でも攻撃される度合いはだいぶ違いました。ハリス氏がマイノリティー代表というイメージがつくられ支持された背景には、何としてでも勝たなければいけないと考えた民主党の結束がありました。また、主人公はハリス氏ではなくバイデン氏だったわけですから、それが非常に大きい。

 それに対し、元ファーストレディーという一見「恵まれた立場」にあると見られたクリントン氏は、極端なまでの攻撃をリベラルからさえ浴びました。女性である、というだけでクリントン氏は実力に見合った形で評価されなかった側面があると考えています。そして、クリントン氏はてっぺんを取りに行ったわけですから、攻撃が集まるのはある種当然の結果です。副大統領というのはそういう意味では攻撃を受けにくい存在だったわけです。

ハリス氏が大統領になるチャンスはある

―― 三浦さんから見て、ハリス氏は今後大統領になる可能性はあると思いますか?

三浦 バイデン氏は78歳。高齢で2期目はないと言われる中で、彼女は一気に引き上げられ、大きなチャンスをつかんだと思います。ただ、彼女は法律や論理力にはたけているかもしれませんが、経済と安全保障における能力が示せなければ大統領候補としては不足です。理想主義的なお題目にとどまることなく、具体的な政策に関する調整・判断能力を養って真価を発揮してほしいです。

 心配なのは、選挙期間中、政治思想がぶれているように見えてしまったことです。中道派という立場でありつつも、マイノリティー代表として支持を得るために、バーニー・サンダース氏らが名を連ねるプログレッシブ(急進左派)にすり寄らなければならない場面が見受けられました。そのような行動は支持者には揺れているとみなされ、大統領にはふさわしくないと考えられてしまいがちです。確固たるリーダーシップがあると示すために、今後ハリス氏にはぶれない思想的な軸を見せてほしいですね。

―― ハリス氏はバイデン政権でどんな役割を担うのでしょうか。