人生でいつ、何を始めるのも遅くない!といわれる時代ではありますが、素敵な先輩たちの「この年でこれを経験してよかった」という言葉は貴重なアドバイスに。人生観が変わったターニングポイントや、コツコツ積み重ねておいたほうがいいこと、ラクになる考えなど、人生をより楽しく豊かに生きるコツを各分野で活躍する人たちに聞きました。今回は、サロン、美容誌、商品開発…“美の賢者”としてのキャリアを育んだ美容家の石井美保さんです。
「やりたいことは早く始める」「失敗から改善」が最重要
美容家として活躍する石井美保さん。起業家の母に「そこまでのリスクがないならとりあえずやって考えたらいい」と背中を押され、29歳のとき離婚を機に起業。まつげエクステがほとんど知られていなかった時代に、「まだ世の中にないものの先駆者になりたい」という思いで、まつげサロンの開業からキャリアをスタート。今では美容誌や書籍、商品開発などあらゆるジャンルで人々の美を後押しする。
「20代の人に聞くと、『40歳までには自分のお店を持ちたい』と、先すぎるところに夢を持っています。でも、年齢を重ねるほど体力が落ちるので、やりたい気持ちがあっても体が追いつかなくなると、今、感じます。準備が整うのを待っていたらもったいない。やりたいことは早めにやるのが鉄則」
サロン開業当時は広告予算もなく、施術の合間に自分でチラシをポスティングして地道に集客。「若いエネルギーがあったからできた」と振り返る日々は、小さな失敗の連続だったと言う。
「お客様にとって唯一無二のサロンになりたい気持ちが強く、毎日のように泣いたり落ち込んだり…。でも、クレームを受けても落ち込まず、改善や進化のきっかけになると思えるようになってから、強くなれました」
指摘されて『私はダメだ』と責めるのは、自滅してしまう自己中心的な考えだという。
「『サロンはお客様のためにある』という思いが頭にあれば、自分の落ち込みは一旦置いて、最速で改善する方向に進めます。『可もなく不可もなく』で変わらないよりも、やりたいことはどんどん始めて、小さな失敗を重ねて成長をしながら、前に進んでいく。それが成功につながっていくと思います」

【25歳】長女を出産
【29歳】サロン「Riche」をオープン
【34歳】サロンオリジナルスキンケア商品の発売開始
【35歳】美容雑誌の取材を受け始める
【39歳】初の著書『石井美保のBeauty Style』(宝島社)出版
【40歳】人生で初めてパリへ行き、人生観が変わる。「肌断食」開始。人生最高の美肌に
【45歳】美容雑誌『美的』(小学館)の表紙を飾る