地方での副業人材活用に注目が集まっています。副業のマッチングサービスを手掛けるアナザーワークスによると、同社の自治体と副業人材のマッチング支援数は2020年12月時点で10件だったのが、2022年3月には107件と、約10倍に増加しました。IT分野の副業人材を採用し、社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に成功した地方の非IT企業2社に、副業人材受け入れのポイントを聞きました。
地方ではつながりのある地元企業と取引することが多い
依頼内容:Webサイトの構築、改修
雇用期間:2019年6月~現在
労働時間:基本的に平日の19時から21時で、週約10時間
群馬県吾妻郡長野原町に本社を構える浅間酒造は、創業150年。お土産を買ったり食事ができたりする観光施設「浅間酒造観光センター」の運営を手掛けています。ITエンジニアなどの副業を仲介する「シューマツワーカー」を2019年6月から利用し、今までに4人を採用しました。副業人材には主に、Webサイトの構築と改修を依頼しています。しかし、経営戦略室の柳澤裕治さんは「もともと副業人材を採用する予定はなかった」と言います。
「社内のメンバーに紹介された制作会社に依頼しようと考えていました。地方は地元企業との結びつきが強いため、つながりのあるところと取引することが多いんです。ただ、私の中につくりたいWebサイトのイメージがあったので、それを実現することにこだわると、紹介された制作会社では難しいのではと思いました。
2019年2月にたまたま参加したメーカーやサービス業向けの展示会でシューマツワーカーを知り、『副業人材の採用』という選択肢があることを知りました。副業なら、通常の採用では会えないIT人材を採用できるのではと考えました」(柳澤さん)