2022年2月発売のひきたよしあきさんの著書『人を追いつめる話し方 心をラクにする話し方』(日経BP)。発売後約2週間で重版決定! 博報堂フェローのひきたさんが500人以上の体験談を集めてつくった一冊です。人はどんな言葉で心が凍りつき、どんな言葉で心が救われるのか。ひきたさんとブロガー・作家のはあちゅうさんが語り合いました。

(上)ひきたよしあき×はあちゅう Z世代の心が救われる言葉 ←今回はココ
(下)ひきたよしあき 北風&太陽言葉 使い方で人生が変わる


ひきたよしあき(写真左)
博報堂フェロー、スピーチライター。1984年早稲田大学法学部卒。博報堂に入社後、CMプランナー、クリエーティブディレクターとして数々のCM制作を手がける。政治、行政、大手企業のスピーチライターとしても活動。社会人向けオンライン学習コミュニティ「Schoo(スクー)」でコミュニケーションの重要性や、日本語の素晴らしさを分かりやすく伝える講義が大人気になるなど講演活動も数多くこなす。

はあちゅう(写真右)
ブロガー・作家。慶応義塾大学法学部卒業。広告会社、ベンチャー企業勤務を経てフリーランスに。「人生全部コンテンツ」を掲げて、日常を様々な視点・方法で切り取った発信を続ける。2018年に事実婚を発表、2019年に第一子を出産。著書に『仮想人生』『子供がずっと欲しかった』(ともに幻冬舎)、『通りすがりのあなた』(講談社)、『じゃない、幸せ。』(秀和システム)など。

デジタル化で、「心をつかむ話し方」に悩む人が増えた

はあちゅうさん(以下、はあちゅう) 本に登場する「北風上司」と「太陽上司」が対照的なキャラクターで、自分の経験とも重ねて共感しました。本では「見直すべき声のかけ方」がテーマになっていますよね。なぜ今、話し方を見直すことが大事なのでしょうか?

ひきたよしあきさん(以下、ひきた) 今、コミュニケーションに悩みを抱える人がとても増えています。理由は大きくは2つあります。

 1つは、デジタル化によって働き方に変化があったからです。リモートワークによりメール、SNS、チャットなどでのやりとりが多くなって、言葉だけでコミュニケーションをする機会が増えました。対面であれば、その人の持つ雰囲気や態度など言葉以外の情報で、人柄などをリアルに感じることができるけれど、デジタルではなかなかそうはいかない。効率重視の端的なやりとりが増え、強い言葉が心にグサッと刺さってしまうんですね。

 もう1つの理由は、マスク生活が長くなり、相手の表情が読み取りにくくなっていることがあります。マスクをしながら話すことで滑舌が悪くなり、しゃべること自体が億劫(おっくう)になっている。つい会話自体がぶっきらぼうになって、言葉がキツくなりがちです。

編集部(以下、――) TwitterやLINEを見ても、端的でテンポのいい言葉のやりとりが行き交っていますね。

言葉のプロが500人以上の声を集めて作った あなたの一言で部下が伸びる!見直すべき「声のかけ方」30のシーン
『人を追いつめる話し方 心をラクにする話し方』
編集:日経xwoman
発行:日経BP
定価:1650円(10%税込)

アマゾンでの購入はこちらから

【内容】
イソップの寓話「北風と太陽」の教訓を基に、「北風上司」と「太陽上司」を主人公にした物語形式の一冊。

★相手を励まし、前向きにさせる「太陽言葉」
・プレッシャーに押し潰されそうな部下の心を軽くする言葉
・大きなミスをして落ち込んでいる部下を立ち直らせる言葉
・家庭の事情に悩む部下を勇気づける言葉 など

★相手のやる気をなくさせ、恐怖を与える「北風言葉」
・チャレンジしようとする部下の芽を潰す言葉
・部下に、「上司にはしごを外された」と感じさせる言葉
・仕事に私情を挟んで、部下を混乱させる自分勝手な言葉 など