「簡単なものでいいよ」の夫の言葉にイラッ

編集部(以下、――) 相手によって受け取り方が変わるところが、言葉の難しいところですね。ひきたさんは、FacebookやインスタグラムなどのSNSでも発信をしていますが、今回の本の感想など、印象的だった読者の声を教えてください。

ひきた この間インスタグラムにアップして反響が大きかったのが、夫婦の会話(160ページ)ですね。よくあるシチュエーションとして、夫が妻に対して「(ご飯は)簡単なものでいいよ」というセリフがあるけれど、これが妻にとっては非常にカチンとくる言葉だと。夫としては、忙しい妻をいたわったつもりかもしれないけれど、「それって女の人が作ることが前提だよね」という議論が沸いていましたね。確かにその通りです。

はあちゅう 私と夫との間でもありますよ。例えば、夫から「○○はどこ?」って聞かれると、「それって、私に探してって言っているの?」と感じてモヤッとしたり。それから、家事とか育児を「協力している」という言葉もよく話題に上りますよね。2人の子どもなのに「協力」という言葉はおかしい。ほかにも「外で働いてきてもいいよ」「働くのを認めているよ」というのも違和感があります。私が働く権利をなぜ夫のあなたに認めてもらう必要があるの? って。

ひきた 言葉には、その人の持つ価値観が表れます。自分では相手に対して誠意を持って「太陽言葉」を使っているつもりでも、その人の持つ価値観によって、相手には「北風言葉」になってしまいます。

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はあちゅう 私もそれはすごく感じています。結婚当初、夫の仕事について、いろいろとネガティブなことを言う人もいました。ネガティブな声にも傷つきましたが、それと同じくらい違和感を覚えたのが、「私は職業とか別に気にしないよ」とか「そういう業界に偏見はないからね!」という言葉だったんです。

 こちらからその話題を振っていない状態で、いきなり「偏見はないよ」とその話題にあえて触れてくるのは、逆に意識しているからこその言葉だと感じました。私のことを「自分とは違う人間だと思っているんだろうな」って。その流れで、「はあちゅうさんって、ああいう人を選ぶから変わった人だと思ってた」などと言われることも結構多くて、ちょっとつらいなあという時期があったんです。そうしたこともあり、「普通だよね」「変わっているね」といった、つい使ってしまいがちな言葉にも意識を向けるようになりました。