SNSでの発信で気をつけること

はあちゅう 言葉というものに敏感になりますね。私も会話の中で自分の感じたことや経験をメモに書きとめて、ダメなものは繰り返さないようにしています。

ひきた さすがですね。はあちゅうさんは、非常に発信力が高いですが、SNSでの言葉で気をつけていることはありますか?

はあちゅう なるべく柔らかい言葉を選ぶようにしています。例えば、広告業界の人がよく使う「刺さる」って言葉。昔は私も使っていたのですが、ある時ふっと「これって結構強い言葉だよな」と感じてやめました。「刺さる」以外の表現もきちんと持っておこうと思って「心に響いた」に変更するなど、マイルドな言葉のボキャブラリーを増やすようにしているんです。

ひきた それはすごくいいですね! 今、みんな短くて強いインパクトのある言葉を使う傾向があるけれど、マイルドな言葉のボキャブラリーを増やすことで、お互いにとって心地よいコミュニケーションができるようになりますね。

 僕も広告業界だけにいたら、きっと今の文体にはなっていなかったと思うんです。今の自分の言葉をつくっているのは、小学校などで子どもたちに教えた経験がすごく大きい。だから、自分と違う環境に身を置いてみたり、違った属性の人たちとどんどんしゃべってみたりして世界を広げることが大事だなと痛感しています。

ひきたよしあき
博報堂フェロー、スピーチライター
ひきたよしあき 早稲田大学法学部卒。博報堂に入社後、CMプランナー、クリエーティブディレクターとして数々のCM制作を手がける。政治、行政、大手企業のスピーチライターとしても活動。社会人向けオンライン学習コミュニティ「Schoo(スクー)」でコミュニケーションの重要性や、日本語の素晴らしさを分かりやすく伝える講義が大人気になるなど講演活動も数多くこなす。
はあちゅう
ブロガー・作家
はあちゅう 慶応義塾大学法学部卒業。広告会社、ベンチャー企業勤務を経てフリーランスに。「人生全部コンテンツ」を掲げて、日常を様々な視点・方法で切り取った発信を続ける。2018年に事実婚を発表、2019年に第一子を出産。著書に『仮想人生』『子供がずっと欲しかった』(ともに幻冬舎)、『通りすがりのあなた』(講談社)、『じゃない、幸せ。』(秀和システム)など。

取材・文/西尾英子 取材・構成/加藤京子(日経xwoman ARIA) 写真/稲垣純也