【解説】仕事相手への謝罪は上司が先頭に立つ

 北風上司、ずるいですね。旧日本海軍には、「指揮官先頭、率先垂範」という規範がありました。指揮官たるもの、常に部下の先頭に立ち、率先して模範を示せという意味です。北風上司は、部下の先頭に立って守るどころか、怒っている得意先の先頭に立って、イベントを推進してきた桜川くんを責めている。たまらないですね。

 多分、北風上司は、「今回は私の目の届かないところで、こんな結果になってしまいました。次回からはちゃんと自分が管理、監督しますので、今回はご容赦ください」というつもりでしょう。でも、これは間違いです。だって、桜川くんを人柱にしている。桜川くんを「仕事のできない人」と得意先に見せることで、延命を図っている。これでは、桜川くんが人間不信になるのも当然です。

 もし、北風上司が自分で大まかな流れを説明したのちに、桜川くんに話を振っていれば、「指揮官先頭」になり得たはずです。しかし、北風上司は周到に、「自分はこの案件にあまり関わっていない」と布石を打っていました。先頭に立つ気などハナからなかった。これが悲しいです。桜川くん、落ち込まないで!

まとめ

仕事相手への謝罪は、
上司が先頭に立って頭を下げる

言葉のプロが500人以上の声を集めて作った あなたの一言で部下が伸びる!見直すべき「声のかけ方」30のシーン
『人を追いつめる話し方 心をラクにする話し方』
編集:日経xwoman
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【内容】
イソップの寓話「北風と太陽」の教訓を基に、「北風上司」と「太陽上司」を主人公にした物語形式の一冊。

★相手を励まし、前向きにさせる「太陽言葉」
・プレッシャーに押し潰されそうな部下の心を軽くする言葉
・大きなミスをして落ち込んでいる部下を立ち直らせる言葉
・家庭の事情に悩む部下を勇気づける言葉 など

★相手のやる気をなくさせ、恐怖を与える「北風言葉」
・チャレンジしようとする部下の芽を潰す言葉
・部下に、「上司にはしごを外された」と感じさせる言葉
・仕事に私情を挟んで、部下を混乱させる自分勝手な言葉 など

イラスト/大西洋