【解説】会話に性差を持ち込まない

 北風上司、褒め方が最悪ですね。間違いなく、彼は柏倉さんのことを褒めたかったのでしょう。しかし、人と比べること、さらには男女を比較するという、社会人としてあるまじき領域に足を踏み入れてしまいました。完全にアウトです。

 しかし、柏倉さん。日本の会社では「女だから」「男なのに」と性差を付けて話すことが、つい最近まで平気で行われてきていたのです。いや、きっと今でもこういう考えを持つ人、無意識のうちにこうした発言をする人はたくさんいるでしょう。それを許せ、というのではありません。時代の価値観の違いによって無意識のうちに、話に性差を持ち込む人がいることは知っておいてほしいのです。

 北風上司に対しては「男だから頼りになるんですか? そこに男女の違いはあるのですか?」と問い詰めていいですよ。北風上司もはっとするはずです。「会話に性差を持ち込んではいけない」と分かるはずです。上司と部下は、一方的な上下関係だけじゃない。柏倉さんが、北風上司に教えることもあっていいのです。

ポイント

褒めるつもりであっても、
部下の評価に性別は絶対に持ち込まない

言葉のプロが500人以上の声を集めて作った あなたの一言で部下が伸びる!見直すべき「声のかけ方」30のシーン
『人を追いつめる話し方 心をラクにする話し方』
編集:日経xwoman
発行:日経BP
定価:1650円(10%税込)

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【内容】
イソップの寓話「北風と太陽」の教訓を基に、「北風上司」と「太陽上司」を主人公にした物語形式の一冊。

★相手を励まし、前向きにさせる「太陽言葉」
・プレッシャーに押し潰されそうな部下の心を軽くする言葉
・大きなミスをして落ち込んでいる部下を立ち直らせる言葉
・家庭の事情に悩む部下を勇気づける言葉 など

★相手のやる気をなくさせ、恐怖を与える「北風言葉」
・チャレンジしようとする部下の芽を潰す言葉
・部下に、「上司にはしごを外された」と感じさせる言葉
・仕事に私情を挟んで、部下を混乱させる自分勝手な言葉 など

イラスト/大西洋