日本の組織でなかなかダイバーシティが進まない理由を解説した『SDGs、ESG経営に必須! 多様性って何ですか? D&I、ジェンダー平等入門』(日経BP発行、羽生祥子著)から一部を抜粋して紹介する連載。「女性活躍が進まない『言い訳トップ5』はこれだ」の「言い訳」のうち、第4位と第5位のセリフについて、見ていきましょう。
「女性活躍」を避けていてはダイバーシティが進まない
この連載では、無意識のうちにダイバーシティ推進を妨げる典型的な5つの言い訳を紹介し、その言い訳一つひとつに対して検証してきました。
今回は、言い訳4位の「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)はOKだが、女性活躍はNG」というセリフについて考えていきたいと思います。
女性活躍という言葉を避ける組織は、無意識の性別役割分担から目をそらしている可能性が高いです。すでに女性活躍や働き方改革を経て、人種や国籍など、より広範な多様化組織を目指す企業は例外です。
ですが、女性活躍という言葉を避ける日本企業の多くには「女性だけなぜ特別視する必要があるのか?」という、言い訳1位と同じ背景が潜んでいます。次に紹介する「多様性チェック早見表」を見ると分かりやすいですが、女性活躍やワーママ支援(最近では、“支援”という意識を超えて、ワーキングペアレンツでも積極的に活躍できる意識・環境づくり)といった取り組みは、多様化組織を目指すステップの第一歩。基礎工事に当たる重要な取り組みなのです。
