育休100%の原点

坂田 当社が完全週休2日制にした当時は「週休2日は月に1〜2回のみ」という企業が多かったんです。ただ私は、他社事例を調べたり、自社社員の就業データを分析したりした結果、「完全に週休2日制にしたほうが生産性がアップするのではないか」という仮説を持ったんです。

 ただ、仮説に自信はあったものの実際やってみなくてはわからない。人も設備も増やさず稼働日を減らすのだから、普通に考えたら会社が立ち行かなくなってもおかしくないです。当時私は経営者として会社の連帯保証人になっていたし、いわば命懸けのチャレンジですよね。

 結果どうなったかというと、売り上げも利益も大きく伸びました。ちなみに休日を増やしたタイミングで、社員の基本給も上げました。「変化は一気に進めるべき」「負荷を与えることで組織は変わる」。今につながるたくさんの学びを得た出来事でした。

―― 「残業ゼロ」や「男性育休100%」など、やるなら徹底的にという姿勢は、このときの経験が原点なのですね。22年4月には改正育児・介護休業法とともに女性活躍推進法でも新制度が始まり、101人以上の事業主も義務対象になりました。サカタ製作所が女性の活躍推進のために行っていることを教えてください。

坂田 女性活躍は今までお話しした中で、一番ハードルの高いものでしたね。女性の価値観を経営に生かしたいという思いは、法律の改正とは関係なく昭和時代からありましたが、挫折の連続でした。管理職への昇進を打診しても拒否されてしまったり、責任ある立場に立ちたくないと言われてしまったり……退職されてしまったケースもありましたね。

 悩んでいたあるとき、ある有名なコンサルの方に相談しました。すると、「それは、会社が本当の意味で女性に期待していないからですよ」と言われてしまいました。もう、目からウロコでしたね。会社を改めて見回すと、営業チームの中で営業パーソンとして外に出るのは男性ばかり、女性は営業事務としてサポート役になっている。

 他の業務でも中核にいるのは男性で、女性は常にサポート役だった。そんな状況では管理職に打診などはしていたものの、女性社員たちは「期待しての起用なのかな」と不信感があったのでしょう。なぜこうなっているか、それは、会社が、そして私が、それまで女性に期待してなかったからなのだと気づいたのです。

 すぐにアクションを起こしました。各事業拠点に行って、女性社員だけを集めて謝罪したんです。「コンサルから指摘を受けて気付いたのだけど、実は今まで、私は皆さんに対して期待してなかった。これについては謝るしかない、申し訳ありませんでした。これからは皆さんに期待します」ってね。

女性活躍&男性育休 ポイント4
女性への期待

女性にそもそも期待をしていなかった。まずは謝罪し、期待していることを明示した。

―― 皆さんの反応はいかがでしたか?