元NHKキャスター・牛窪万里子さんが、相手の本音を自然と引き出す新しいヒアリングメソッドについて解説した著書『難しい相手もなぜか本音を話し始めるたった2つの法則 入門・油田掘メソッド』(日経BP)。前回の記事「大切な会話を途切れさせない『質問テクニック』と考え方」では、相手の本音を探る「油田掘メソッド」の考え方と、そのメリットについてお話しました。今回は、実践の場でメソッドを取り入れる具体的な手順について紹介していきます。
実践! 油田掘フローチャート
さっそく、油田掘メソッドの具体的な手順を見ていきましょう。あなたが上司だとして、部下の仕事に対する満足度がどの程度かを聞き出したいとしましょう。
まずは、この状況で油田掘メソッドがどう展開するのか、具体的な会話形式で紹介します。後ほど解説するので、まずは、会話の流れをご覧ください。
【油田掘メソッドの実践例】
◆上司が「仕事への満足度」を部下から聞き出したい場合
上司「今の仕事はどんな感じですか?」質問【1】
部下「とてもやりがいを感じていますよ」回答【1】
上司「やりがいは、どんなことで感じましたか?」質問【2】
部下「自分にとって常にチャレンジできるので、仕事の幅が広がりました」回答【2】
上司「どのように仕事の幅が広がったんですか?」質問【3】
部下「クライアントからの案件が徐々に増えるようになりました」回答【3】
上司「実際にどんなチャレンジができましたか?」質問【4】
部下「クライアントに対してさまざまな提案ができることです。その提案が通り、クライアントに喜ばれたときには、この仕事を担当してよかったと思いました」回答【4】
上司「今の仕事はどんな感じですか?」質問【1】
部下「とてもやりがいを感じていますよ」回答【1】
上司「やりがいは、どんなことで感じましたか?」質問【2】
部下「自分にとって常にチャレンジできるので、仕事の幅が広がりました」回答【2】
上司「どのように仕事の幅が広がったんですか?」質問【3】
部下「クライアントからの案件が徐々に増えるようになりました」回答【3】
上司「実際にどんなチャレンジができましたか?」質問【4】
部下「クライアントに対してさまざまな提案ができることです。その提案が通り、クライアントに喜ばれたときには、この仕事を担当してよかったと思いました」回答【4】
いかがでしたか。この会話では、4回の質問のやり取りを通じて、部下が仕事への満足感を高く持っており、それが主に「クライアントに提案して採用される経験」にひも付いていることを聞き出すことができたようです。
さて、部下に投げかけたそれぞれの質問は、どのような理由で選ばれたのでしょうか。まずは、質問【1】について解説します。