「価値観」が見える回答を引き出す
質問【3】では、自分が興味を持ち、話を展開しやすいキーワードを選びました。すると、返ってきた回答【3】が「クライアントからの案件が徐々に増えるようになりました」という、油田掘をしにくい回答でした。
相手の本音を引き出すための油田掘メソッドでは、相手の「価値観」につながる回答を引き出すことが近道です。回答【3】は単に事実を答えているだけで、部下の思考や価値観が表れたものではなく、質問の目的である「仕事の満足度」にも直接はつながっていないのです。
幸い、回答【2】の中には、既にもう1つ「チャレンジ」というキーワードが含まれていました。こちらも、仕事の満足度というテーマにつながりそうな言葉です。今度はこちらに切り替えて、油田掘をしてみます。
回答【2】「自分にとって常にチャレンジできるので、仕事の幅が広がりました」
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質問【4】「実際にどんなチャレンジができましたか?」
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質問【4】「実際にどんなチャレンジができましたか?」
回答【3】はある意味スルーして、回答【2】に対する2つ目の質問を投げました。ここでもキーワードはそのまま返し、「どんな」という漠然とした質問にしています。
ここで、少し工夫して「仕事の幅を広げたチャレンジとは、具体的にどんなことですか?」と、2つのキーワードを両方並べて質問することもできます。基本的には、どれか一つのキーワードに焦点を絞って聞くのがセオリーですが、キーワード同士の関連性が深い場合はこの手もあります。単体のキーワードとしては反応が鈍かった「仕事の幅」も、「チャレンジ」に関連した言葉としては意味を持つかもしれません。