相手の発したキーワードを繰り返す

 一つの方法が「相手の話をまとめる」ことです。

 相手が息を継ぐ「間」のときに「なるほど、あなたはこう考えているんですね?」とまとめに入り、一度、相手に納得感を与えます。それによって話に区切りを付けた上で、「ところで~」「話を戻しますが~」などと、聞きたかった本題に戻すのです。

 この「まとめ」の際に気を付けるべきは、「相手の言葉をそのまま使って」まとめること。ここまで油田掘メソッドで学んできたように、相手の言葉を勝手に別の言葉に言い換えてしまうと、相手は違和感を覚えやすいのです。あなたにとっては「同じ意味の言葉に言い換えただけ」かもしれませんが、言葉から感じるイメージは一人ひとり違うので、相手にとっては別の意味になってしまうことがあるからです。

 なお、まとめに入る余裕もないくらい、一方通行で話し続けてしまう相手の場合は、あえて「目線を落とす」のも手です。さりげなく、「ひょっとして会話の波長が合っていないかも……」と気付かせるためです。ただし、単に自分の話を聞いていない、上の空だと思われると相手が不快になる可能性があるので、視線を下げつつも、どこか一点を見つめていたほうがいいでしょう。例えば、手元のメモなどを見ていれば、真剣に聞いている態度が伝わります。

あえて視線を落とし、手元のメモを見つめる手も
あえて視線を落とし、手元のメモを見つめる手も