相手の本音を引き出す新しいヒアリングメソッドについて解説した、元NHKキャスター・牛窪万里子さんの著書『難しい相手もなぜか本音を話し始めるたった2つの法則 入門・油田掘メソッド』(日経BP)。同書から「油田掘メソッド」の考え方と実践での使い方を紹介した基本編に続いて、今回からは、思うように会話がはこばないときの対処法を、ケース別に紹介していきます。

油田掘がうまくいかないときの対処法

 会話は生ものです。油田掘が理論上、失敗しにくいメソッドだとしても、実際の相手に対して試したら「あれ、うまくいかない」という状況に陥ることはあります。会話への苦手意識&失敗パターンの多くは、台本などの事前準備をしても回避するのは難しいものです。自分には自分ならではの「会話の癖」があり、相手もまた、バラバラの個性を持った人だからです。

 しかし、そんな「うまくいかない」状況に陥った際に、どう切り抜けるかの対処法を知っておくことはできます。いざとなれば対処できると思えれば、苦手意識も和ぎ、冷静に対処できるはずです。さっそく、会話途中で困ったときの克服法を見ていきましょう。

会話の主導権を取り戻すには?

会話で困った!ケース【1】
「相手のペースに巻き込まれてしまい、自分が聞きたいことから話題がそれてしまう」

 相手のニーズや本音を引き出したいなら、会話の流れは自分でコントロールしたいもの。しかし、相手がよくしゃべる人の場合、いつの間にか本題ではない話題にずれていってしまう、場の主導権を握られてしまうパターンは少なくないと思います。

 サービス精神旺盛な人だと、悪気なく、場を盛り上げようと意図的に「話をそらしている」ケースもあります。この状況に陥り、なかなか本題に戻れなくなって困るパターンは珍しくありません。

 この場合、ただ焦って軌道修正をしようとするだけではなく、「まずは相手の話を聞いてみる」スタンスは大切です。相手が気分よく話しているときは、こちらが想像もしなかったキーワードが出てくることもあり、油田掘のチャンスが来ることもあるからです。ダメなら後で軌道修正をすればいいと、まずは気持ちに余裕を持って、相手の言葉に耳を傾けてみましょう。

 とはいえ、完全に本題からそれた状態が続きそうなら、最後はおじけることなく、軌道修正をはかる必要があります。しかしこのような状況で、相手の気分を害することなく自分のペースを取り戻すにはどうすればいいでしょうか?