日経xwomanが2021年秋に実施した「女性の働き方(キャリア)意識調査」を基に、組織のダイバーシティ推進度と、女性のキャリア形成・管理職志向との関係について考える本連載。今回は、アンケートの結果を、回答者が属する業界別に分析しながら、各業界の取り組みの現状と課題を分析します。
記事中の図版はすべて日経xwoman「女性の働き方(キャリア)意識調査」出典。四捨五入の都合上、グラフの合計が100%になっていない場合があります。
業界別・「多様性先進組織」だと答えた人の割合は?
ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂性)の進捗は、業界ごとに差がある。日経xwomanでは働く女性2482人を対象に、自分が働く組織のダイバーシティの現状について質問。「トップ、管理職、従業員など組織全体でダイバーシティを理解・実行している」(以下、多様性先進組織)と答えた人の割合が高い業界は、以下の通りになった。

n=588。自分が働く組織のダイバーシティの現状についての回答を業界別に集計。「トップ、管理職、従業員など組織全体で理解をし、実行している」と答えた人の割合が高かった順に上から並べた。「その他サービス」「その他メーカー」「その他」は図版から省略
自分の勤務先が「多様性先進組織」であると答えた人の割合が最も高かったのは、「シンクタンク・コンサル」(45.1%)。次いで「医薬品メーカー」(37.5%)「銀行」(33.9%)「IT/情報/通信」(33.3%)の順だった。一方で、「不動産/建設」「運輸」「自動車メーカー」などで働く女性たちは、自社の取り組みに厳しい目を向けているようだ。
さまざまな業界のダイバーシティ施策に詳しい中央大学ビジネススクール准教授の高村静さんは、「企業は、利益を生み出す“源泉”を大事にする」と話す。
※アンケート回答者の概要は記事1本目「『多様性ゼロ組織』と回答した5割が、転職・独立したい」を参照してください。