日経xwomanでは2021年10~11月に、「女性の働き方(キャリア)意識調査」を実施。2482人から得た回答を基に、年代別の女性のキャリア継続や管理職登用への課題を分析します。今回取り上げるのは30代。アンケート結果の分析から、30代女性がキャリア継続に関して抱える課題が明白になりました。
記事中の図版はすべて日経xwoman「女性の働き方(キャリア)意識調査」出典。四捨五入の都合上、グラフの合計が100%になっていない場合があります。なお、実際には同じ年代にも多様な人がおり、記事で紹介する内容がすべての30代に当てはまるわけではありません。
1983年~92年に生まれた30代は、マーケティング用語で「ミレニアル世代」とも呼ばれる。本調査において30代の回答者は556人、そのうち59.9%が既婚で、48.9%に子どもがいる。
回答した30代のキャリア意欲はとても高い。アンケートで「あなたはできるだけ長く働いてキャリアを継続したいと思いますか?」という質問をしたところ、「はい」と答えた人の割合は82%に上った。

また、「どんな形でキャリアを継続したいか」という質問では、「今いる組織の中でキャリアアップを目指したい」と答える人が最も多く(36.3%)、転職志望者は20代に比べて少ない(27.0%)。「社会に出て10年近くがたち、20代の頃のような迷いが少なくなっていくのが30代。特に産休・育休を経験した人は、『出産で退職せざるを得ない企業もある中、職場復帰できたから、しばらくここで頑張ろう』と思っているかもしれない」と、ミレニアル世代のキャリア意識に詳しい21世紀職業財団 主任研究員の山谷真名さんは分析する。

キャリア継続への意識が高く、「今いる組織の中でキャリアアップを目指したい」と答えた人も多い30代。しかし明確な課題がある。家事・育児との両立だ。