2000年代初頭から女性活躍の取り組みを始めた企業にとって、当時の20~30代が今では40~50代となり、管理職にさしかかる年代となっています。日経xwomanが2021年10~11月に行った「女性の働き方(キャリア)意識調査」を基に、40~50代が管理職を目指す上での課題を紹介します。
記事中の図版はすべて日経xwoman「女性の働き方(キャリア)意識調査」出典。四捨五入の都合上、グラフの合計が100%になっていない場合があります。なお、実際には同じ年代にも多様な人がおり、記事で紹介する内容がすべての40~50代に当てはまるわけではありません。
前回の記事「独立・起業したい女性、20代より50代で高比率のワケ」で、40~50代の8割が「できるだけ長くキャリアを継続したい」と回答したことを紹介した。では、日本の組織は40~50代女性がキャリアを継続しやすい環境なのだろうか。
「あなたがいる組織は女性がキャリアを継続しやすいと思いますか」という問いに対して、40代では26.6%、50代では20.9%の人が「いいえ」と答えた。理由を聞くと、40代、50代ともに、「男女が平等のチャンスを与えられていない」が1位に。中でも50代のスコアは60.3%と高かった。

50代のキャリア意識調査を手掛けた経験のある21世紀職業財団主任研究員の山谷真名さんは、「特に50代の女性は同年代の男性に比べて、違う部門への異動や出向、全社的な仕事の経験が少なく、昇進の条件を満たすための経験を十分に積めなかった可能性がある」と指摘する。
働く40~50代女性が昇進の男女不平等に不満を感じている様子は、「管理職への意欲」を聞いた質問からも見て取れる。