更年期障害は生活習慣でよくなる

 先ほど、更年期障害でひどい症状が出る人は、1割にも満たないといいました。

 同じ調査によると、更年期の女性のうち、健康な人は約45%、更年期の症状が気になるけれど病院に行くほどではない人は約40%、病院に相談したい、治療したいと思っている人は約9%でした。つまり、85%は病院に行かずに済んでいます(*2)。

 「病院に相談したい、治療したい」と思っている9%の人に対する更年期障害の治療法は、減ってきた女性ホルモンを補うホルモン治療だけです。眠れない人には睡眠薬を処方する、不安が強ければ精神安定剤を処方する、疲れがひどければ漢方を処方するなどもありますが、どれも対症療法です。治療を受けながら自分で生活習慣を変えていくことも大切です。

 ただ、健康な人が45%と半分以下というのも事実です。「病院に行くほどではない不調」をよくしていくにはどうしたらいいのでしょうか。

 答えは、必要な栄養を取るための食生活を送ることと、運動や入浴の習慣などをつけることです。つまり、今のうちから生理痛やPMSを軽くできるような生活をしておくと、更年期になっても元気に過ごせる可能性が高いということです。

そもそも更年期とは何だろう

 そもそも更年期とは、「幼年期」や「青年期」のような、人生のある一定の時期のことを指します。人によってばらつきがありますが、閉経の前の5年間と、閉経の後の5年間の、計10年間が更年期となります。45歳で閉経した人なら、40〜50歳が更年期というわけです。

 そして更年期に出る体の不調・症状だから「更年期障害」と呼びます。大変そうな印象がある更年期障害ですが、医師に聞くと、ホルモン治療が必要なほどひどくなる人は実はそう多くありません。

 本人の症状が出てつらいという場合にはホルモン治療が必要と判断されます。一方で、ホルモン治療を希望する人は1割にも満たないという調査報告があります(*3)。日常生活に支障が出る場合には、産婦人科医に相談し、漢方やサプリメントなど、自分に合う治療法を見つけましょう。不必要に更年期におびえることはないのです。

(*2,3 J. Jpn. Acad. Mid., Vol. 14, No. 1, pp. 45-53, 200)