2020年に子宮頸がん検診を受けていないなら、必ず今年中に!

 日本では海外に比べてがん検診の受診率が低いことに加え、2020年はコロナ下でさらに減少傾向に。がん治療施設のがん研有明病院によると、がん患者の数は毎年右肩上がりでしたが、2020年4月から21年1月の新患者数は約8000人で、前年比の8割にとどまっています。全体の手術数も、同期間で約8割に減少しています。

 では、がんを見逃さないためにどのような検診を受診したらいいのでしょうか。中川さんは、「受けるべきがん検診は5つある」といいます。

・胃がん検診…「胃部X線検査」と「胃内視鏡検査」を2年に1度、対象は50歳以上の男女
※当分の間、「胃部X線検査」は年に1回、40歳以上でも可能
・肺がん検診…「胸部X線検査」を1年に1度、対象は40歳以上の男女
・大腸がん検診…「便潜血検査」を1年に1度、対象は40歳以上の男女
・子宮頸がん検診…「細胞診」を2年に1度、対象は20歳以上の女性
・乳がん検診…「マンモグラフィ」を2年に1度、対象は40歳以上の女性

 中川さんが特に懸念しているのは「子宮頸がん検診」の受診率の低さです。性交渉の経験がある女性の80%以上が、50歳までにHPVの感染を経験するといわれ、子宮頸がんになるリスクがあります。

 そのため「20歳から」と比較的若いときから推奨されているものの、その事実を認知している人が少ないため、20〜25歳の受診率が低いことが大きな課題になっています。

20歳以上が検診の対象にもかかわらず、20~25歳は約15%しか受けていない
20歳以上が検診の対象にもかかわらず、20~25歳は約15%しか受けていない

 また、国がHPVワクチンの接種勧奨を中止したことも、受診率が低下した要因のひとつ

 日本で認可されているHPVワクチンは3種類。そのうちの2種類「2価ワクチン」と「4価ワクチン」は小学校5年生から高校1年生相当の女子が定期接種の対象になっています。日本では2013年4月からHPVワクチンが定期接種化されました。しかし、重大な副作用があるのではという報道が相次いだこともあり 、わずか2カ月後の6月に厚生労働省が積極的な接種勧奨の中止を自治体に要請することに。

一時期は8割を超えていたHPVワクチンの接種率が現在の20歳以下はほぼ0%まで減少している
一時期は8割を超えていたHPVワクチンの接種率が現在の20歳以下はほぼ0%まで減少している

 スウェーデンの研究によると、17歳未満のHPVワクチン接種で子宮頸がんになるリスクが9割低下したといいます。また、名古屋市立大学の研究では「ワクチン接種と副作用の因果関係は示されない」という結論に。厚生労働省も2021年10月から、接種勧奨の再開に向けた議論を始めると表明しています。