超ぜいたく! 広い体育館つきの児童クラブ

 越前市内には、公立・私立を合わせて24の保育園・認定こども園があり、すべての園で延長保育を行なっている。幼稚園は公立・私立合わせて9園。公立は3歳児から入園可能で、私立では2歳児から受け入れている。待機児童はもちろんゼロ。さらに、市内27カ所の保育園や児童館・児童センターなどでは児童クラブ(学童保育)が実施され、働くお母さんをサポートしている。

 今年小学校に入学した三木さんの息子(6歳)も、学校が終わった後は毎日児童クラブに直行。手洗い・うがいをしておやつをもらい、宿題を済ませた子は自由に遊べる。遊び場となるのは、児童クラブに付属する図書室や体育館。

 「越前の児童クラブはどこも広い体育館がついていて、うちの子が通っている児童クラブにもバドミントンコート2・3面分ほどの広さがある体育館があるんです。そこで毎日思いっきり遊ぶのが、息子は楽しくてたまらないみたい。車などの危険も心配しなくていいし、雨の日でも竹馬や一輪車やドッジボールなんかもできるので、安心して預けられます」

 ソフト面の子育てサポートも充実している。例えば、通学時の「旗当番」。地域の人が交代で通学路に立ち、子どもたちを見守る仕組みが今も自然に続いている。また、近所の人どうしがお互いの子を把握していて、外で遊んでいても危険がないようさりげなく注意を払っている。

 「子供会やお祭りの当番がしょっちゅう回ってきますから面倒なこともありますけど(笑)、でもそれ以上に助かることがたくさんあります。例えば、どうしても仕事で出かけなければいけないときに、ご近所に子どものお迎えを頼んだり、近所の家で遊ばせてもらっている間に掃除を片付けられたり。ここらには田んぼも川も公園もあって、子どもたちをタダで遊ばせられますから、私が近所の子どもたちみんなを引き連れて行くこともあります。近所の子が『今日はお母さんの帰りが遅い』なんて言えば、『じゃあ、うちでご飯を食べて待ってる?』と誘うのも当たり前。家庭という枠を越えて、街全体で子育てしている感じですね」

(左)三木さんがデザインを手がけた作品。ベビーも編みぐるみもかわいい!仕事に打ち込めるのも、街ぐるみで子育てサポートがあるからこそ。(右)「仕事のレベルは世界基準、心の環境は越前市、楽しむことを忘れたくない」と話す三木さん。いきいきと今を楽しんでいることが伝わってくる
(左)三木さんがデザインを手がけた作品。ベビーも編みぐるみもかわいい!仕事に打ち込めるのも、街ぐるみで子育てサポートがあるからこそ。(右)「仕事のレベルは世界基準、心の環境は越前市、楽しむことを忘れたくない」と話す三木さん。いきいきと今を楽しんでいることが伝わってくる

「越前のいいとこ見してあげるで、おいで」

 三木さん夫婦がニューヨーク時代から続けている共通の趣味がサルサダンス。結婚した頃には越前市には自分たちに合ったサルサ教室やサークルはなかった。 「踊れる場所がないなら、作ればいい!」と考えた2人はサルササークルを作り、毎週火曜日に練習を行い、パフォーマンスを披露したことも。

 「サルササークルは私たち夫婦にとっては子どものように大切な存在だし、火曜日の夜は貴重な夫婦の時間。子どもが生まれてからもずっと、火曜日は私の実家に子どもを預けて欠かさずサークルに行っています。メンバーがみんなうちに集まって、飲んで盛り上がったりすることもあるんですよ。そのメンバーにも子供をとても可愛がってもらって、家族のようです。

 生まれてすぐのときから毎週実家でお泊まりしているので、息子も私の母にすごくよくなついていて、まるで母親が2人いるみたい。お泊まりに慣れたおかげでうちの子はどこの家でも物怖じせずにご飯も食べられるし、誰にでも寝かしつけてもらえます(笑)」

 仕事に、子育てに、趣味。どれも自分らしく楽しみながら、のびのびと越前暮らしを楽しんでいる三木さん。その暮らしぶりに興味を持ってくれて、県外はもちろん、ニューヨークから遊びにくる友人たちも多いそう。

 「みんな、田んぼや川で遊んで、夏なら蛍を見て、伝統工芸に触れて『ミキアイが言ってた通り、ほんとにいいとこだね!』と感動してくれるんです。都市部からは遠いのに、毎年のようにきてくれる友達もいます。ニューヨークは今でも恋しいし、もっと東京にも行きたいと思うときもあるけれど、今の暮らしは最高に幸せ。仕事では世界に通用するクオリティを保ちつつも『越前に住んでやっぱりよかった』とずっと言い続けていくことが、今の私の目標なんです」

福井県越前市で働く
越前市には全地区に児童館・児童センター・学童施設が完備。小学1・4年生と幅広い年代の子どもが利用できる。また、保護者が働いている・いないに関わらず子どもを預けられ、就学前教育と保育の両面が充実している「認定こども園」の整備も進められている。

取材・文:市原淳子  撮影:佐々木実佳(ブロウアップスタジオ)

* この記事の年齢、役職などは取材時のものです

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