連載最終回のテーマはにきび。にきびには思春期に悩まされ、大人になってからも困っている…という人もいるのではないでしょうか。実は同じにきびでも、思春期と大人になってからでは原因や対処法が違います。さらにコロナ下のマスク着用により、できやすくなった「マスクにきび」についての対策もコスメコンシェルジュの小西さやかさんに聞きました。
思春期にきびはオイリー肌 大人にきびは乾燥肌にできやすい
みなさん、こんにちは。コスメコンシェルジュの小西さやかです。
ポツンと一つ顔にあるだけで憂鬱な気分になる、にきび。思春期に悩まされたのに、大人になってからもなかなか治らない――と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
実は思春期と大人になってからでは、にきびの原因や最適なケアが違います。もし、思春期のにきび肌対策をそのまま続けている人がいるとしたら、それも治りにくい一因となってしまいます。まずは2つの違いを整理してみましょう。
【できる年齢】10代が中心
【できやすい場所】Tゾーン/鼻、額など皮脂量が多い部分を中心に、顔全体にできる
【できやすい肌質】オイリー肌
【原因】過剰な皮脂分泌
【対策】にきびの原因であるアクネ菌に働きかける、思春期にきび用のスキンケアやにきび用治療薬。洗浄力の高い洗顔料で余分な皮脂を取る、酵素洗顔料で毛穴の詰まりや角栓を取るのも効果的
■大人にきび
【できる年齢】20代以降
【できやすい場所】顔の下半分/頬、フェースライン、口回り、顎など顔の下半分を中心にできやすい
【できやすい肌質】乾燥肌
【原因】ストレスや不規則な生活、睡眠不足など生活のあらゆることから影響を受ける
【対策】炎症を抑えつつ、十分な保湿ケアを行う。皮脂を取りすぎないように注意
思春期にきびができやすいのは「過剰な皮脂分泌」によるオイリー肌に対して、大人にきびは「ストレスや生活の乱れ」による乾燥肌と逆の肌質。そこに思春期にきびと同じ「過剰な皮脂を取り除くケア」を行うと潤い不足となり、さらに悪化する恐れがあります。
大人にきびには「保湿も必要」と覚えておきましょう。
ただし、コロナ下のマスクで鼻や小鼻、顎などにできる「マスクにきび」は年代に関係なく現れます。マスクで覆われている部分が蒸れ、皮脂分泌が過剰になっているのが原因です。マスクにきびができている部分は思春期にきびと同じように、洗顔などで余分な皮脂を取り除いてくださいね。
いずれのタイプも、にきびは一度できてしまうと治りにくく、炎症が治まるまでにも時間がかかります。「まずはつくらない」ことを心がけ、日ごろから予防に力を入れるのが大事です。予防法として有効なのは、
(2)にきび予防効果のある薬用化粧品を使う……アクネ菌の殺菌、皮脂抑制効果、毛穴の詰まりを改善する角質柔軟作用のある有効成分を配合した薬用化粧品を使いましょう
(3)油分の少ない化粧品やノンコメドジェニック化粧品を使う……油分だけがにきびの原因ではありませんが、アクネ菌は油分を餌にして繁殖します。「ノンコメドジェニック」と表示されている化粧品は、そのコスメを使ったときにコメド(皮脂の詰まり)ができないことが確認されている商品です。そのため、にきびができやすい人におすすめ
それから、しっかり睡眠をとる、便秘になることをさける、脂質の代謝や脂肪分解をコントロールするビタミンB群、にきびの炎症を防ぐビタミンA、βカロテンなどを食事やサプリメントでとるのも効果的です。