社会が変わりつつある中、住まいの新しいあり方を考える本特集。第1回は「20代独身にしてマンションを買う」というライフスタイルを選んだ女性を紹介します。「少しくらい背伸びしても正解」「マネープラン的にも得だった」と実感している理由は?

 家を買うなら、将来の家族構成がきっちり固まってから。しっかりと頭金を貯めてから、慎重に判断して――。それが、王道のアドバイス。でも、中には「若くて独身でも家を買う人」もいます。

 それは決して無謀な行動ではなく、むしろライフプラン的にも賢いと語るのは、自身も30歳になる前にマンションを買ったマンションブロガーの「勝どきちゃん」さん。なぜ彼女は購入に踏み切り、その選択を正解だと思ったのか、その体験について詳しく聞きました(聞き手は臼田正彦=日経xwoman)。

勝どきちゃん(30代半ば)。住宅業界に勤めながら、「スムログ」やTwitterなどで女性目線のマンション購入、注目の物件情報などについて情報発信する
勝どきちゃん(30代半ば)。住宅業界に勤めながら、「スムログ」やTwitterなどで女性目線のマンション購入、注目の物件情報などについて情報発信する

「あ、買えるじゃん」でタワマンを衝動買い

―― まだ20代のうちにマンションを買ったそうですね。

勝どきちゃん(以下、勝) はい。もうすぐ30歳というタイミングでした。東京の勝どきにある新築タワーマンションにある、40m2台の1LDKの物件です。

―― 「勝どきちゃん」という名前の由来ですね。しかし、20代独身でタワマン……。この時点で「自分とは世界が違う」と感じてしまう読者が多いかもしれません。

 あはは。確かに2021年の今だったら、20代で新築タワマンはさすがにハードルが高いかもしれませんね。当時(5~6年前)は今よりは価格が安くて、4000万円くらいだったんです。10年固定金利の35年ローンで借りると、管理費などと併せて支払いは月12万円くらい。額面年収で600万円あり、まだ上昇も期待できるという感じでした。

勝どきに並ぶタワーマンション群の1つが「勝どきちゃん」の住まい(写真はイメージ、PIXTA)
勝どきに並ぶタワーマンション群の1つが「勝どきちゃん」の住まい(写真はイメージ、PIXTA)

 実はこの購入、ほとんど衝動買いに近かったんですよ。私は住宅業界に勤めていますが、それまで自分で買うなんてことは全くイメージしていなかった。ただ、仕事でモデルルームに行ったときに、この支払額を見て、「あ、買える価格じゃん」と初めて思った。自分の年収ならローンも通りそうと聞いて、年収がほぼ同じ同僚が既に契約しているのも知って、一気にスイッチが入りました。

―― 衝動買いだったんですか! マンションブロガーさんなので、さぞ徹底的に比較検討して、掘り出し物を探したのかとイメージしていました。

 もちろん私は住宅業界の人間ですけど、別に専門家のような知識はないです。そもそも「勝どきちゃん」として発信を始めたのは自分が買った後で、購入時点では物件情報をたくさん知っている人というわけでもありませんでした。

 とにかく、その時に見た勝どきのタワマンが、すごく気に入ったんです。もちろん、その後で他のマンションと比較検討はしましたけれど、ネットで探してもそこより魅力的な物件はほぼ見つからなかった。実際に現地に見に行ったのもあと2件くらい。結局そのままとんとん拍子で、購入に至りました。

―― 住宅業界ではどんなお仕事を?

 主に、法人向けの営業をしています。新卒で業界に入った当初は、家を買いたい個人のお客様向けの営業をしていましたが、途中でこの職種が自分に向いていないことに気付いてしまい(笑)。

 当たり前ですが、家を買うというのは非常に大きな選択なので、細かい点を気にする人も多いし、感情に左右されておっしゃることがくるくる変わったりもする。そういうお客様に対処するスキルが、私は非常に低いのだと思い知りまして……その後、今の職種にたどり着きました。対法人ですと純粋にビジネスとしてやり取りできるので、今のほうが私には向いていますね。

―― 「衝動買い」の後で、早まったかもとか、住宅ローンを抱えてこれから大変だとかは感じませんでしたか?