時計業界を含む製造業において女性活躍のために何が必要なのか。セイコーグループ常務執行役員の庭崎紀代子さんは「生き生きと働く女性の見える化」が大切と話します。庭崎さんに業界の課題と解決策を聞きました。
(上)セイコー庭崎紀代子 知識不足から猛勉強で信頼獲得
(下)セイコー 生き生き働く女性の「見える化」で得たこと←今回はココ
編集部(以下、略) 精密機器業界の製造部門で働く女性の数が少ないことは世界共通の傾向です。女性の採用を増やしたり、すでにいる人材の力を生かしたりするため、業界全体で取り組める策、持つべき意識などはありますか?
庭崎 女性が生き生きと働いている姿を「見える化」することは重要です。
例えば、当グループの盛岡セイコー工業には、機械式時計を製造する「グランドセイコースタジオ 雫石」という組立工房があります。建築家、隈研吾氏に設計をお願いしました。そこでは、専任の時計師が組み立て・調整を行う専門工房を一般に公開しており、多くの女性が技術者として働いています。