製薬大手のファイザーは、2013年から管理職の全ポジションで社内公募を導入するなどの取り組みを続けている。取締役 執行役員 炎症・免疫部門長の宮原京子さんに、多様な人材を育てる仕組みや課題について聞いた。
(上)ファイザー・宮原京子 後輩のキャリア後押しは「務め」
(下)社長も役員も公募制 多様なキャリア描ける仕組みが大切 ←今回はココ
管理職の全ポジションで社内公募
編集部(以下、略) 日本も含めた世界の拠点の主要なポジションで社内公募を実施しているそうですね。
宮原京子さん(以下、宮原) 2013年から社長のポジションも含め、マネジャー以上のポジションはすべて社内公募制です。営業職(MR)など一部の例外を除き、いわゆる定期的な人事異動はありません。
現在のポジションを1年務めれば、社内公募されたポジションに誰でも応募できます。書類選考、面接へと進んでいく一般的な転職活動と同じです。私自身も公募に手を挙げて、取締役執行役員のポジションに就いています。
この公募制度は、すでに採用される候補者があらかじめ決まっているような、いわゆる「出来レース」ではありません。性別なども関係なく、実力で決まります。そのポジションに求められている能力や経験、スキルがあれば、自分の思うようにキャリア形成をしていくことができます。公募件数は、年間で数百にのぼります。応募回数などに制限を設けているわけでもなく、「このチャンスを逃してなるものか」と気負わずとも大丈夫。誰にでもチャンスがあると思います。
もちろん、手を挙げるからには準備が必要です。私のかつての上司も「このポジションではこんなことが求められる。事前にこんな準備をしておきなさい」「面接ではこんなことを聞かれるはずだ」とサポートしてくれました。私も部下に、履歴書の書き方やインタビューでの話し方などをアドバイスするようにしています。
