各業界で活躍する女性リーダーに、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I、多様性と包摂性)の視点から、人材育成や構造改革における取り組みや課題を語ってもらう本連載。2回目は、キリンホールディングス(HD)常務執行役員の坪井純子さんと損保ジャパン取締役常務執行役員の酒井香世子さんによる対談です。以前から知り合いだという2人に、これまでの経験を振り返ってもらいつつ、人事担当役員としての立場から、女性管理職増加のための取り組みや、多様性推進にあたって大切なことを聞きました。

(上)女性に「優しく」でも期待しないは本末転倒/役員対談 ←今回はココ
(下)女性役員2人に直撃!経営メンバーに「多様性」入る意義

社外の女性リーダーとの意見交換が刺激に

写真左:キリンホールディングス 常務執行役員 坪井純子さん
1985年キリンビール入社。「キリン秋味」の開発、ブランドマネージャーなどを担当。2010年横浜赤レンガ代表取締役社長に就任。14年キリン執行役員、19年にキリンホールディングス常務執行役員。22年4月から人事総務戦略担当。

写真右:損保ジャパン 取締役常務執行役員CHRO・CSuO 酒井香世子さん
1992年安田火災海上保険(現損保ジャパン)に入社。内閣府男女共同参画局出向、人事部、秘書部、内部監査部などを経て、2019年に執行役員、20年に取締役執行役員。22年4月から現職。CHRO:Chief Human Resource Officer(最高人事責任者)、CSuO:Chief Sustainability Officer(サステナブル経営推進責任者)。

編集部(以下、略) 女性の管理職やリーダーはまだ少数派で、社内に同じような立場の女性がいない、という人も少なくありません。坪井さんと酒井さんは、数年前からのお知り合いだそうですね。リーダーを目指す上で、社外のつながりを持つことはどう役立ちましたか。

坪井純子さん(以下、坪井) 酒井さんとは5年くらい前に、女性リーダーが集まる異業種交流会で初めてお会いしました。女性に限らず、違う業界の方と話すのは刺激になりますし、視座が一段上がる気がします。女性管理職はひとくくりにされがちですが、本当にいろいろな人がいるなと感じられます。

酒井香世子さん(以下、酒井) 出会ったとき、坪井さんはすでに執行役員でしたが、私はまだ部長でした。立場などにとらわれず、フランクに情報交換ができる場所は貴重ですよね。

―― これからリーダーを目指す女性たちは、自分で費用を負担してでも社外の研修や交流会に出向き、人脈をつくったほうがいいでしょうか。

坪井 男女関係なく、成長マインドを持って自律的にキャリアを築いていく時代ですから、チャンスがあれば参加するといいと思いますよ。

酒井 そうですね。自分がどうなりたいのか、そのためにはどんな経験を積めばいいのかを考えて行動することが大事だと思います。ネットワーキングの方法はいくらでもありますから、ぜひ積極的に参加してほしいですね。そこでの多様な経験を社内にフィードバックしてくれたら、会社も進化すると思います。

坪井 多様性のよさって、そういうところですよね。自分が今持っているものの地続きではなく、飛び地のように全く知らないものに出合うことで、新たな世界が見えてくることがあります。