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女性役員に聞くD&I

ヤマダHD 女性に特化した活躍推進策が失敗した理由

(上)社内の文化を変えずに機械的に女性を抜てきしても…

Terraceで話題!

各業界で活躍する女性リーダーに、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I、多様性と包摂性)の視点から、人材育成や構造改革における取り組みや課題を語ってもらう本連載。3回目はヤマダホールディングス代表取締役兼専務執行役員の小暮めぐ美さんです。社内改革と失敗について話を聞きました。

(上)ヤマダHD 女性に特化した活躍推進策が失敗した理由 ←今回はココ
(下)「女には分からない」 世間の無理解が女性活躍を阻む

ヤマダホールディングス代表取締役兼専務執行役員 小暮めぐ美さん
ヤマダホールディングス代表取締役兼専務執行役員 小暮めぐ美さん
1976年生まれ。販売職を経て本部勤務となり、2011年秘書室次長。18年、同社女性初の取締役、上席執行役員秘書室長兼人材開発室長に就任。2022年4月より現職

編集部(以下、略) 2018年に人材開発室長に就任しました。社内でどのような取り組みを進めてきましたか?

小暮めぐ美さん(以下、小暮) 就任した当初は女性管理職を増やそうと、女性を優先的に引き上げるなどの「女性に特化した活躍推進策」の構築に取り組みました。でも、あまりうまくいきませんでした。そもそも音頭をとっている私自身が「何か違うな」と思っていました。私も「女性扱い」されることに抵抗がありましたから。

―― 何が問題だったのですか?

小暮 社内文化を無視して性急に進めてしまったんです。今は改善されてきていますが、当時は男性社員の比率が圧倒的に高かった。

 さらに社内には売り上げ目標の達成を第一優先にする「数字の文化」が浸透していて、多少の無理をしても数字を出せば評価されてきました。そんな中、多数の男性を飛び越して抜てきされた女性社員が萎縮して、働きづらくなってしまったのです。数字優先の文化がある中で、女性だけを特別扱いすれば、大多数の男性社員たちが反発し、女性が萎縮するのは当然だったかもしれません。

 女性活躍を急速に進める前に、まず「なぜ、いま女性活躍が会社にとって必要なのか」ということを社内全体で共有すべきと思います。

 当社は「暮らしまるごと提案」を重要な経営戦略としています。家電だけでなく、家具や雑貨を含め、暮らしに関わる商品をトータルで提案し、消費者の生活を豊かにしようというものです。少子高齢化が進む中、値引きや長時間営業によって安い商品を大量に売る時代から、高付加価値の商品を提案する時代に変わりつつあり、そこには女性の提案力が必要です。男性が家事育児を当たり前のようにする家庭は増えてはいます。ただ、まだまだ、家事周りの洗濯機、冷蔵庫といった家電や家具、雑貨の購入については「妻の意見」が強く、販売員に女性視点は不可欠です。

 配達や設置工事でも女性社員が必要です。商品の搬入で自宅に入る場合、主婦や一人暮らしの女性は「男性が来るのには抵抗がある」という方が多い。そうした要望に応じて、エアコン取り付け、冷蔵庫設置などもできる、専門知識を持った女性の「セールスエンジニア」を養成しています。今は男性比率のほうが高いですが、いずれは50:50の割合にしていきたいですね。

 女性の活躍が会社の成長にとって不可欠なのは明らかです。きちんと社員たちに伝え、認識を共有してもらうことが大事です。そのために、重要な役割を担うのが店長でした。

―― 21年からは店長へのワークショップやマネジメント研修を強化したそうですね。

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