理系人材が多く活躍する製造業は一般的に女性社員が少ない傾向にあり、電機業界もその一つ。実際、パナソニックグループの社員の男女比は8:2(2022年4月1日時点)、採用人数も男性897人、女性278人(21年度)と圧倒的に男性が多く、女性管理職比率も5.4%(22年度)と、全国平均の12.3%*と比べて低い状況にあります。パナソニックグループではそうした課題にどう向き合っているのでしょうか。事業会社でダイバーシティ担当役員を務めた経験を持つ、パナソニック ホールディングス取締役執行役員 グループ・ゼネラル・カウンセルの少德彩子さんに話を聞きました。
*厚生労働省「令和3年度雇用均等基本調査」の課長相当職以上の管理職に占める女性の割合を参照
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男性が圧倒的に多く、女性が働きづらい側面も
編集部(以下、略) 製造業は専門知識を生かせる職場として、多くの理系人材が活躍しています。その一方で女性社員が少ない傾向にあり、電機業界もその一つです。
少德彩子さん(以下、少德) 当グループに限らず、電機業界では理系の採用比率が断然高い。そうした人材は理系学部ないし大学院から採用します。そもそもそこの女性比率が低いので、必然的に男性比率が高くなります。
―― 日経xwomanは21年秋に、働く女性2482人が回答したキャリア意識調査を実施しました。その中で、電機(機械・精密機器を含む)メーカーで働く女性190人に「あなたがいる組織は、女性がキャリアを継続していきやすいと思うか」と尋ねたところ、約3割が「いいえ」と回答し、他業界よりもやや高い結果となりました。