2021年6月10日発売の『早く絶版になってほしい #駄言辞典』(以後、『#駄言辞典』)。ジェンダーにまつわるステレオタイプから生まれる400を超える「駄言」を、エピソードとともに紹介している本書から、駄言の実例とその駄言を生んでいる背景の分析を紹介します。本連載の第1回は『#駄言辞典』が生まれた背景を紹介します。

心をくじく「駄言」を集め、撲滅を目指す

【駄言・だげん】とは
「女はビジネスに向かない」のような思い込みによる発言。特に性別に基づくものが多い。相手の能力や個性を考えないステレオタイプな発言だが、言った当人には悪気がないことも多い。

 2020年11月、日本経済新聞は紙面で、ある呼びかけをしました。

 心を打つ「名言」があるように、
 心をくじく「駄言」(だげん)もある。
 「#駄言辞典」を付けて、駄言にまつわる
 エピソードをつぶやいてください。
 まとめたものは、絶版を目指して出版します。

2020年11月27日付日本経済新聞朝刊掲載
2020年11月27日付日本経済新聞朝刊掲載

 日本経済新聞社と日経BPは日本社会の多様性を阻むステレオタイプを撲滅するために、日経ウーマンエンパワーメントプロジェクトの一環として、新聞広告を通じてNIKKEI UNSTEREOTYPE ACTIONを展開しています。

 この『#駄言辞典』は、そのアクションの一つとして始まりました。私たちはまず、古いステレオタイプによって生まれたひどい発言を「駄言」と名付け、募集しました。どんな発言が駄言なのか、その発言の何が問題なのかを明らかにすることで、学びに変えたいと考えたのです。

想像を超える量の駄言が集まった

 募集が始まると瞬く間に、想像を超える量の駄言が集まり、世の中にはびこる多種多様な駄言の存在が明らかになりました。

 駄言とともに書かれていたのは、発言に対する怒りや悲しみ、憤り。ひどいことを言われても、その場で「間違っている」と言い返せず、ずっと我慢してきた人たちの思いが、タイムラインで爆発しているようでした。

本書では400を超える駄言を紹介

 この本の第1章では、そんなひどい発言がなかったことにならないように特に投稿が多かったものなどを中心に、「女性らしさ」「キャリア・仕事能力」「生活能力・家事」「子育て」「恋愛・結婚」「男性らしさ」の6つのカテゴリに分けて書き留め、解説を加えています。本書では400を超える駄言と、その駄言を言われた(聞いた)人によるコメントを掲載しています。


【書籍情報】
ジェンダーにまつわる
アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)による
1200もの「駄言」が教えてくれたものとは?


早く絶版になってほしい
『#駄言辞典』

編集:日経xwoman
発行:日経BP
定価:1540円(10%税込)


【目次】
・駄言とは?
・まえがき
・第1章…実際にあった「駄言」リスト
 女性らしさ/キャリア・仕事能力
 生活能力・家事/子育て
 恋愛・結婚/男性らしさ
・第2章…なぜ「駄言」が生まれるか
 スプツニ子!/出口治明/及川美紀
 杉山文野/野田聖子/青野慶久
・第3章…「駄言」にどう立ち向かえばいいのか
・あとがき