両性は「平等」になったはずなのに

 第2次世界大戦後、日本国憲法の第24条には「両性の平等」が定められたものの、社会における性別役割分業の構造は残りました。また、日本社会には家族的な考えを会社に持ち込む傾向があるため、これが職場における性別役割分業にもつながったと考えられます。

 さらに、高度経済成長期の間、日本では生産性を向上させるために男性は会社で長時間働き、女性は家で家事や育児を担うというライフスタイルが前提とされました。家庭や学校、社会においても、女性と男性は性別で分けられ、「女性らしい」または「男性らしい」振る舞いや考え方が推奨されることが続いたのです。

 しかし、そうした高度経済成長期は幕を閉じ、今、日本は人口減少、経済縮小の局面を迎えています。今日求められているのは、性別役割分業の意識を払拭し、従来の固定観念を打ち壊して、新しい価値を創造する、多様性のある社会をつくることです。

 また、近年では性的マイノリティのLGBTQや多様性を尊重する考え方も広まっています。2021年3月、札幌地方裁判所が「同性婚を認めないのは違憲」とする判断を示したこともその一例です。

固定観念に別れを告げ、「自分らしさ」を発揮する時代

 私たちは「女性・男性」という2つの枠組みに可能性を押し込めるという固定観念に別れを告げ、一人ひとりがもっと自由に伸び伸びと「自分らしさ」を発揮し、新たな価値を創造していく時代に突入していると言えます。

 就職活動の場においても、その流れが見えます。従来の就職活動で、女性は「女性らしさ」の象徴であるスカートのリクルートスーツを着用し、髪形や持ち物も画一的なスタイルにすることが推奨されていました。しかし、最近では「女性らしい」スタイルに縛られることなく、「自分らしい」服装や髪形、メイクを許容する、また、業界によっては歓迎さえするという、新しい流れが生まれています。

 このように、誰もが性別に縛られず、自分らしい選択ができるようになれば、社会はこれまでよりも生きやすいものになるはずです。