「女らしさ」を押しつけられても、言われた通りにしなければいい

中村さん つまり、今の女性たちは、つまらないことにこだわって「女だから、こんなことを言われてしまうんだよね」と不平不満を述べるところで終わっていることが多いような気がするのです。

 ここで一つ質問させてください。なぜ現代を生きる女性たちは、「女らしさ」を押しつけられていると感じるのでしょう。

―― え? 中村さんが「女性らしさ」を押しつけられていると感じることはありませんか?

中村さん 感じることはありますよ。でもね、誰かに「女性らしさ」を押しつけられたと感じたとしても、言われた通りにしなければいいのです(笑)。私がこの本の「駄言」という言い方に少し引っかかると冒頭に言ったのは、「駄言」と言って話を終わらせているような雰囲気を感じたからです。

 これからの女性たちにとって何が重要かというと、「私はこう考えます」「私はこうしたいんです」と、「私は」という主語を付けて、自分の考えをしっかりと述べることです。そのためには「自分がどういうふうに生きたいか」「自分がどういう状態を目指すのか」と、自分が目指したいイメージをしっかりと持つこと。そして、今ある問題点を理解することが大事です。

 誰かに価値観の押しつけのような嫌なことを言われたときに、「そうなんだ……」と傷ついて、忖度(そんたく)して黙ってしまってはいけない。

 さて、なぜ「私は」という主語を付けて発言することが大事なのかというと、それが自分の経験を広めることにつながるからです。

 「#MeToo運動」(性的嫌がらせなどの被害体験をTwitterやInstagramなどのSNSで告白や共有する運動)や「保育園落ちた日本死ね」発言を覚えていますか? あれは、当事者による発言をきっかけに大きな活動が生まれて社会が動いた好例です。当事者が経験を自分の言葉で発信したからできたことです。

 発言することで経験を皆と共有して「こういう方向に動いていきたい」というほうに向かって社会全体を動かしていくのです。皆さんも自分の考えをしっかり持って、自分の主語を付けて発言しましょう。おかしいと思ったことは、きっちり伝えましょう。そういうことが必要だと思います。

 「これって駄言だよね」というのは出発点。その後に「これはここがおかしいのではないですか」「自分はこうしたい」「私はこう思います」と、いちいちはっきり言っていくことが大事なのです。

忖度して黙ってはいけない。「これはここがおかしいのではないですか」「自分はこうしたい」「私はこう思います」といちいち声を上げることが大事だ(写真はイメージです)
忖度して黙ってはいけない。「これはここがおかしいのではないですか」「自分はこうしたい」「私はこう思います」といちいち声を上げることが大事だ(写真はイメージです)