発言するか、その状況を耐え忍ぶか

―― 周りからは「いちいちうるさい人だなぁ」と思われても、言い続けることが大事だということですね。

中村さん そうです。だって「うるさいな」と言われるのが嫌だったら、その状況を耐え忍ぶしかありませんから。状況を変えたいなら言い続けなければ。

―― 政治でも、黙っている人の声は吸い上げられないですものね。

中村さん そうそう。ではここで、社会的なレベルの話をしましょう。

 社会構造を考えれば、性別にかかわらずワーク・ライフ・バランスが保証されるようにすることが大事です。それが実現できなければ、結局、性別役割分業は変わらないはずです。そこを変えることが、今の一番のポイントだと思います。

 ここで何が重要になるかというと、やはり人々が皆、政治に関わっていくことです。

 社会構造の変革を実現するためには、政治を動かすことが必要。やはり「投票に行く」ことが大前提です。社会構造の変革は、お金がかかることですが、税金を使えばいいわけです。

 税金をどう使えばいいのかを考えて、「戦闘機を買うよりも、保育園を増やせ」「女性が生きやすくなるための法をつくれ」……と、個人的な問題を政治の動きにつなげていくことが必要です。問題を一つずつ解決して積み上げていくことも大事ですが、やはり大きな社会構造としての、性別役割分業を変えなければだめだと私は思います。

 「The personal is political.」という言葉をご存じですか? 「個人的な経験を、社会全体の問題として広げていく」。出発点は個々人の声であって、それを社会に広げていくことが大事です。

「駄言」を言われる状況を変えるために必要な3つのこと

―― 「実態を把握する」「自分がこうありたいというイメージを持つ」「『私はこうしたい』という意見を述べる」。この3つが、これからの女性が生きやすくなるためには必要なのですね。

中村さん そうです。嫌なことを言われて「嫌だ」と思うところで終わってしまってはいけません。現実を変えるためには、自分も汗をかかなくてはいけません。「この状況を良くしてください」と、他の誰かに期待するだけではいけないのです。