女性議員が直面する「家父長制的な考え方」

徳永 立憲民主党では参院選の候補者の半数を女性にする、と泉代表が明言しました。ただ、選挙に出たいという女性は少なく、探すのは大変です。また、立候補に興味があっても、勝算がないのに出てくれる人はいないので、当選に至るまでのサポートが大切です。街頭演説でのしゃべり方、選挙の戦い方など、初めて経験する人には全く分からないことばかり。選対とジェンダー平等推進本部とが連携して女性候補者支援チームをつくりました。候補者が不安に思っていることを聞き、応援に行く体制や金銭面の支援もします。保育、介護、障がいのある家族への支援が必要ならそれも整える。家族への支援が必要な人のケアは、男性で必要としている人にも行います。

 国会議員になってからも、仕事は皆さんが思っている以上に多忙だと思います。朝8時から会議が1時間ごとに立て続けに入り、勉強会、質問づくりとやることは山積みで深夜まで働くことも普通。子育て世代の議員が、仕事と家庭を両立するのは本当に大変です。さらに女性の場合は、世の中に根強い「男が働き、女性は家を守るもの」という家父長制的な考え方とも闘わなくてはいけないことが多いです。

「国会議員の仕事は働き方改革の蚊帳の外。朝から深夜まで働き続けるのが日常なんです」
「国会議員の仕事は働き方改革の蚊帳の外。朝から深夜まで働き続けるのが日常なんです」

女性たちがそもそも一枚岩ではない

徳永 私自身はずっとシングルマザーとして、ダブルワーク、トリプルワークをしてきました。夫がメンタルを病んで家族であり続けることが難しくなり、まだ小さかった息子を育てるために実家のある北海道に戻って、昼間はテレビ局のリポーター、夜は飲食店の経営などをして、十数年間、1日に2~3時間しか寝なかった。子どもがまだ小さいのにかわいそうなどと批判もされましたが、将来好きなことをさせるためにもできる限りのことをしたいと考えていました。

 男性社会の中で、男に負けない!と思ってパワハラやいろんなハラスメントをかわしながら生きてきたので、ジェンダー平等を実現するために仕組みをつくって解決しよう、というのは甘えなんじゃないかと考えていたことも正直に言うとありました。今でもそう考えている現役の女性政治家はいると思います。女性たちがそもそも一枚岩ではない。

 だからこそ、クオータ制の導入で先に制度を変えて、議会に男女が同じくらいいるのが当たり前の状態をつくることが大事なんです。女性議員だからこそできる活躍が目に見えて初めて、ああ、女性が多いとこんなふうに良くなるんだな、と国民から信頼を得られるようになる。すると、女性有権者が女性候補者を応援するようになり、投票への意識がもっと高くなる。まず制度を変えるために必要なのは政治家の判断で、政党の決断です。もっと言えば、政権与党である自民党も変わらないと山は動かない、と思います。

取材・文/大屋奈緒子(日経xwoman ARIA) 写真/稲垣純也(徳永さん)